フー・ドゥー・ユー・ラブ（ボ・ディドリーに）

君と出会った最初の日、彼のハートは踊った。
2日目、彼はウィリアム・ブレイクになり、
ロマンスを語った。
3日目、フィリップ・マーロウの真似をし、
4日目はハリー・キャラハンに。
5日目には嫉妬に狂い、
44マグナムを振り回していた。
君はまだほんの子供だけど、彼の母親みたい、
彼のジャンクフード、いや、
彼の赤いコンバースみたい、
彼のミニーマウスか、
彼の地元から出た、
初めてのミス・ユニバースみたい。
「甘えたいなら他を当たって」と君にフラれて、
男たちは、みんなおかしくなってしまう。
そして、君は知り尽くしているのだ、
みんなが、どんなに知りたがっているのかをーー
君が愛しているのは誰だ？
君は、どの男を愛しているんだ？
どんな野郎なんだ、
君が待っている男というのは？

ブルース・ウェインが、君の動きを監視し、
ラッセルとホワイトヘッドが、
君の方程式を解く。
君がデートするのは、
ディカプリオみたいな詐欺師、
ブラット・ピットみたいなジャンキー、
クライブ・オーウェンみたいな元活動家、
または、
ベニチオ・デル・トロみたいな革命家で、
ジェイ・ギャッツビーみたいなリッチマンを、
君はウソ発見機にかける。
００７でさえ、君のコートには忍び込めず、
相手が弁護士だろうと、
宇宙飛行士だろうと、
消防士だろうと、
教授だろうと、
コメディアンだろうと、
レスラーだろうと、君は言うんだ、
「去ろうが、留まろうが、支払いはあなたよ」と。
そして何より、君は知り尽くしている、
野郎どもが、どんなになりたがっているのかをーー
君の愛する男にね。

そんな君の愛する男とはーー
月をプレゼントするような男か？
部屋をメイドのように掃除する男か？
ピンチに、フェラーリで駆けつけるような男か？
帽子は最後に脱ぐカウボーイのようなタフガイか？
君は、男たちにつけた傷ーー
傷心はもちろん、打撲、すり傷、
火傷に、骨折、耳鳴り、
買い物依存に、アルコール依存、
水虫、歯槽膿漏、切れ痔、
不眠症に、不感症、花粉症、
ED、AG、PTSDなどなど
ーーを数え、
「散々な目にあわせたけど、
物事ってそんなもんじゃない？」と笑う。
その上、君は知り尽くしているのだ、
みんなが、どんなに知りたがっているのかをーー
君が愛しているのは誰だ？
君は、どの男を愛しているんだ？
それが、どんな野郎だとしても、
僕じゃないんだね、
君が待っている相手というのは。