見出し画像

魚に愛は伝わるか(序章代わりのお話)

とある魚に一目惚れした。
もともと動物は好きで、小さい頃実家でイヌを飼ったりカメを飼ったりしていた。弟もカブトムシやクワガタムシを捕まえて飼っていたりした。
ひとり暮らしを始めてからもなにか飼いたい気持ちはありつつ、仕事などでしっかりお世話できないことや金銭面を考えると難しく断念していた。
今回その魚を見たとき、そんな悩みはすべて吹き飛んでしまった。私は帰ってすぐその魚についてや飼い方をネットで調べた。本は見つけられなかったので、ブログやSNSが情報の中心だった。

魚を飼うには、水槽を買ってすぐというわけにはいかない。
水槽をセッティングして水を入れカルキを抜きバクテリア剤を入れる。水中だけでなく濾過器やフィルターにもバクテリアを定着させるため、数週間から1ヶ月程度そのまま運転させる必要があった。
なにが正解なのかまったくわからないがこれで成功であることを祈って、魚のいない立ち上げ中の水槽を毎日眺めた。

そして数週間後、私たちは魚をお迎えした。
ポリプテルス・セネガルスの幼魚、1匹。
ポリプテルス・エンドリケリーの幼魚、1匹。
彼らは肉食魚でありながらも、同じ大きさであれば混泳が可能だそうだ。
しかしセネガルスは小型でエンドリケリーは大型。幼魚の時点ではそこまで変わらないが、成長するにつれて体長がどんどん変わっていく。
大丈夫なのだろうかと思いつつ、私のパートナーの強い要望により混泳させることを決意した。
もちろん、なにか起こったら水槽を別々にするつもりだ。

水槽やポリプテルスたち、古代魚に慣れた方々にこの文章がどう映るかはわからない。ワイルド個体ではなくブリード個体と暮らすことに「ポリプテルスを飼っていると名乗るな」と言う方もいるかもしれない。
正直、ポリプテルスを知る先輩方とお話させていただく勇気がない。批判されたりしてしまうと萎縮してしまうし、メンタルも強くないからだ。
それでも彼らは私にとって癒しであり幸せで、毎日楽しく時には不安に水槽を眺めている。

これは水槽超初心者が試行錯誤して彼らと共に成長できることを願う日々の、日記のような小説のような奇妙なお話である。


2022年8月22日 投稿
2022年8月23日 文章修正、リンク追加


見出し画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
ありがとうございます。


次のお話らしきもの


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?