負社員 第70話 いつ・どこで・誰が・何を・何故・どのようにも程がある
「ふぃー」鯰は甲高い一声を挙げた。「煮魚になるとこだった」
「鯰?」結城が叫び、
「鯰さま」本原が口を抑え、
「啓太」時中が茫然と呼んだ。
「啓太? 誰それ」鯰は訊いた。
「トキ君、啓太君じゃないよこれ、鯰だよ。魚類の」結城が足下の地盤に突如開いた孔から顔を出している鯰を指差し、時中に教える。
「わかっている」時中は嫌悪と憎悪が入り混じったような顔で唾棄するがごとくに言い捨てた。
「鯰さまはどこからいらしたのですか」本原が質問する。
「会社会社」鯰は口早に答える。「神たちも一