- 運営しているクリエイター
2019年8月の記事一覧
魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 35
部屋で本を読んでいると、ふいにツィックル便が上から降ってきた。
手に取ると、それは祖母からのものだった。
「ポピー、ユエホワに会った?」
「あ、うん、会ったよ」私はツィックルカードに向かって返事をし、投げ上げた。
ほとんど直後に、また祖母から返ってきた。
「どうしてうちに来ないのかしら?」
「あー」私は正直に伝えるべきかどうか少し迷ったけど、やっぱり伝えることにした。「ハピアンフ
魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 34
「すみません、じゃあ失礼します」私はその後、きちんとお辞儀をして出口に向かった。
先生や保護者委員会の大人の人たちは、微笑みながら会釈を返してくれたけれど、私は入ってきたときのように微笑みを返したりはしなかった。
そのかわり、ドアのところでふり向き、マーガレット校長先生をまっすぐに見て、言った。「先生、学校のキャビッチ畑からキャビッチを一個、持って帰らせていただけますか」
「え?」マーガ
魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 33
その日はいつものように、キャビッチについてや鬼魔について勉強をしたり、校庭に出てキャビッチ投げの練習をしたり、実験室で融合の試験をしたりして時間が過ぎていった。
投げ技練習の時間にはやはりまた、エアリイやマハドゥの修練が行われた。
みんなもう、だいぶその新しい技術に慣れてきていて、いつ妖精が襲ってきてもだいじょうぶだね、なんてことを話していた。
――まあ、本当のところは妖精が、じゃな
魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 32
「聞けたよ」私は答えてから「おはよう」とあいさつした。
ユエホワは、とくに何も言わなかった。
「あいさつできないの」私はむっとしてそう言った。
「さっきしたじゃん」ユエホワは悪びれもせずそう答えた。「ばあちゃんちの屋根の上で」
「えっ」私は箒で飛びながらびっくりした。
じゃあさっきのは、空耳じゃなかったんだ――
「んで、何て言ってた?」ユエホワはかまわず質問をつづけた。「妖精のやつ