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神社のスケッチ(Y.Yちゃん)

この記事は2019年2月24日にホームページにて掲載したものです。

天気の良い日は、散歩に行く。
それでこの日は近くの神社までスケッチをしにいこうということになり、さっそく足を運んだ。

神社の長い階段を上りきって、社殿にお参りをした。さあ絵を描こうと、僕は張り切って子どもたちに画板と画用紙を配った。

内緒の話なんだけど本当はその後、「風景の描き方」なる簡単な指導をするつもりだった。十字のデッサンスケールを渡して。「細かい部分はあとで描くんだよ」みたいなことを言って。


そのつもりだったんだけど、子どもたちがすぐにそれぞれの画面に集中するものだから、僕は口を閉じることにした。

しばらくして、出来上がったYちゃんの絵を見て、僕は胸を打たれた。それから「描き方」だなんてくだらないことを教えようと思った自分が恥ずかしくなった。


Yちゃんの描いた絵には、彼女が感じた神社、友達の様子、自分の気持ちがこんなにもあふれている。
もしかすると、「風景画はそうじゃない」とかいう人もいるかもしれない。いるかもしれないけど、どうだっていい。そんな人はYちゃんに近づかないでほしい。笑
Yちゃんはすごく素敵な感性を持っている。


こう描いて欲しいという大人の身勝手な思いは、子どもの表現を妨げる。
子どもたちにそんなちっぽけなことを押し付けてはいけない。
今日はとっても勉強になりました。
これからも精進します。

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