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ネコとすべりだい(S.Aちゃん)

この記事は2018年3月4日にHPにて掲載したものです。

リズム感や、運動神経と同じように、色彩にも感覚がある。
なんとなく北の方角ってこっちかな、と指させるように、あの色はこんな感じで混ぜたらできそうだな、と感覚でわかってしまう人っている。

Sちゃんは特に、そういう色彩感覚に優れていると思う。
いくつかの絵の具を混ぜ合わせて、いつもあっというまにオリジナルでスペシャルな色を作ってしまう。

「あわいパステルカラー」が特にお気に入りらしい。
彼女のパレットにはいつも、自分で混色した絵の具がいっぱいに並んでいて、そのパレットだけで1つの作品と呼べるくらいに美しい。
さらに全ての色調が、きれいに揃っていることには、目を見張る。大人でもそう簡単にできることじゃない。

なんとなく混ぜ合わせて、偶然にできた色を気に入ることもある。
だけどSちゃんは、頭の中でイメージした色を目指して、そこに絵の具を導いている。

この日はお気に入りの色を、これまたお気に入りのフィンガーペインティングで、ひとつひとつ丁寧に画用紙に並べていた。とてもいい絵だ。



「赤と青を混ぜたらなんになる?」
そんな言葉を、教育の現場でよく耳にする。
でも、そんな言葉の方程式はもうイマドキ、ナンセンスだと思う。言葉だけの知識なら、あとからすぐに覚えられる。
まずは自分の目で、肌で、色を感じることがなにより大切だ。

子どもたちにはどんどん絵の具を混ぜてほしい。
そして自分のお気に入りの色をたくさん探し出してほしい。

絵の具と時間なら、たっぷり用意してあるよ。

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