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オオイカリナマコ(A.Mちゃん)

この記事は2019年7月28日にホームページにて掲載したものです。

子どもだけに限らず、僕らが絵を描くときって、頭の中ではいったいどういうふうにイメージが浮かんでいるんだろう?と考えてみる。


例えば、ネズミを描く。
そのとき頭の中に思い浮かべるイメージはなんだろう?

きっと多いのが、イラストのネズミ。
逆三角形の顔に丸い耳を2つ乗っけて描く、あの絵描き歌みたいなネズミ。鼻をぐりぐりって塗って。そこからヒゲをぴっぴってはやす。

そういうのが今の時代にはあふれている。
ネコ、サカナ、ライオン、ウサギ。
自動車、家、時計。
太陽、花、海。
草原、森、砂漠。

ほとんどのものが、すでに誰かの手によってイラストに描き起こされていて、凡用的に使われている。特に大きくなればなるほど、絵を描くときにそのイラストのほうを頭の中にイメージして、それをなぞるように絵を描いてしまいがちだ。なぜなら実物を見るより、そのようなイラストを見る機会の方が多いから。
そしてこれは子どもたちにとっても、大きく重大なテーマであるように僕は感じている。
(なんだか口ばかりの学者みたいだ)

じゃあどうすればいいんだろう。
どうすれば小手先で描いたようなイラスト調から脱出できるんだろう。
それは実物をイメージすることから始まると思ってる。
自分の脳みそいっぱいに、実物を広げてみる。

ネズミでも、砂浜でも、10tトラックでも。
自分の目で見たときのことを思い出して、脳みそいっぱいにイメージする。

そうすると、なかなか小手先では描けない。
似てる、とか、似てない、とか、
リアルとかリアルじゃない、とか、
そういう枠じゃない。
大筆でたっぷりと形を塗るかんじ。
クレヨンを握りしめて背中で描くかんじ。

すごくあいまいな言葉でしか言い表せないのが情けないんだけど。(笑)

Aちゃんはいつも、自分の目で見たものを見たままに描く。肌で感じたこと、体験したことをそのままに表す。これってすごく素晴らしいことなんだよ。

画面右下の生き物。オオイカリナマコって言ってた。
沖縄に行ったときに見たんだって。
僕はそれを見たことがない。名前ですら初めて聞いたよ。
でもすごく伝わってくる。なにがって、Aちゃんがオオイカリナマコを見て感動したんだってことが。
だからその絵を見た僕も心が動く。


p.s.
前置きが長くなりすぎました。
この続きについては、レポート用紙にまとめて、自分の部屋の壁に貼ります。(笑)

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