ロッキングオンとサウンドストリートがバイブルだった

いわゆる洋楽を聴き始めた最初のキッカケは中学生のころ、NHKで不定期にやってた「ヤングミュージックショー」でピンクフロイドやELPのステージを見たことかな?当時はネットはもちろん、MTVもベストヒットUSAもない頃だからとにかく新鮮でした。

で、NHKのラジオでヤングジョッキーという番組を知り、そこでとにかく早口で喋りまくるDJが渋谷陽一という人であることを知り、その斬新な切り口の解説に魅せられ、その人が編集長をしているロッキングオンという雑誌があることを知ったのだけど、何しろ田舎町の本屋には出回っておらず、確実に手に入れるために最初は定期購読してたと思う。

後に隔月刊となり月刊となって、ようやく地方の本屋にも数冊だけ入って来るようになったのが高校の頃。もともとはレヴォリューションというミニコミ誌から派生して投稿専門誌としてスタートしたロッキングオンの創刊当初の苦境については、創刊メンバーの橘川幸夫の著書「ロッキングオンの時代」に詳しい。最近の水上はるこさん(元、ミュージックライフやJAMの編集長)のTwitterでも触れられていた。

当時ほとんど無名の大友克洋や岡崎京子のマンガも魅力的だったし、渋谷さんと創刊メンバーの松村雄策の渋松対談や架空インタビューもおもしろかったけど、創刊メンバーの岩谷宏の先鋭的なロック評論は厨二病期の背伸びしたがりな自分に刺さる言葉が多くて刺激的でした。投稿者の中には頻繁に取り上げられる人もいて、影響を受けて書いた国語の課題文を読んだ先生から「尖っててなかなかいいけど、『みたく』は文法的におかしい表現だよ」と言われたことを思い出した。当時「◯◯みたい」と言わずに「◯◯みたく」って言うのが誌面で流行ってたのだ。

FMラジオのヤングジョッキーも最初は不定期だったらしいが毎週の放送となり、これも当時流行っていた「エアチェック」を始めたのもこの番組がキッカケ。番組名がサウンドストリートに変わった頃から、ラジオと誌面の相乗効果?で雑誌の知名度も急上昇していった気がする。渋谷さんのイチオシはレッドツェッペリンだったけど、自分はこの頃からキングクリムゾン沼にハマってこの歳になるまで抜け出せないでいる。ただ巷に多いコレクターではないのでBOXセットが出るたびに買ったりすることはなく、課金対象の来日コンサートは20代の頃に2回、そして、2015年の高松と2018年の福岡と広島を観て、発表されている2021年末の来日を心待ちにしている。

渋谷さんの影響もあってか?アメリカンロックはイマイチ好きになれず(ブロンディやトーキングヘッズは例外的に好き)イギリスのバンドを中心に聴いてきたけど、ここ数十年は洋楽の新しいバンドをあまり聴いてない。なんでだろう?と考えた時、思い至ったのが、「目と耳から得る情報がピンと来ない」ということだった。今もロッキングオン誌は売れててページ数も多く分厚くなってるし、サウンドストリートの後継番組のワールドロックナウもあるけど、ロッキングオン社の肥大化に伴って?内容は平準化されて、当時のエキセントリックで思い入れたっぷりのものではなくなっているのが自分にはつまらないと感じられてて、新しい情報をキャッチしに行かなくなったのかも知れない。サブスク全盛となっていつでもどこでも簡単に聴けるようになると案外積極的に聴こうとしなくなるのも同じ理由かも知れないな。

ともあれ、高齢者揃いのキングクリムゾンメンバーに年末までに安心して来日してもらえて、安心してライブを見に行ける環境になっていて欲しいものです。70歳前後のロックミュージシャンの訃報が相次ぐここ数年、リーダーのロバートフリップもこれが最後のライブツアーとなる可能性が強いので是非に🥺

#ロッキングオン
#サウンドストリート
#渋谷陽一

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