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君に会ったら 

   君に会ったら 

「いちばんさいしょは寛大さ」
と自分を和ませてから起きて、

友人の机に入れて置く
手紙を読み返している。

「校庭の隅の木の所に
着替えを置いといて、

このまえ考えていたことを、
小説の先生に見て頂こうよ。

僕は給食の前に支度をしちゃう」
「もうどこにも雪はないけれど、

ゆっくりで良いのだから
気をつけて来るんだよ。

君に会ったら、
話したいことがいっぱいあるんだ」

「欧州から、
おみやげを持って

鴨がやって来てくれたので
『上がって上がって』

と一緒に廊下を進む。
部屋に入ると彼はすぐに、

『床飾りを替えたね』と言い、
僕は彼の細かな変化に気付く

気持ちが大好きでしたから、
僕も習って、

映画を観に行ったときに乗った
電車の切符まで、

『これが今の絵柄なんだ』
とよく見ることにしていました」

「僕はこの前、
作った詩を発表したのだけれど、

みんなは前や後ろ、
隣の人と話していて、

先生も
つまらないと思っていたのかなあ。

それでも
さいごまで読もうと思ったのだけれど、

誰も
聞いてくれていないようだったので、

僕は恥ずかしくなり、
その日まで

良い詩が
出来たと思っていたのだけれど、

読み進めていくうちに、
一人も面白いと思わないものを

作り続けて来たのかな
と思い始めたんだ。

だから君の感想が聞きたいよ。
自転車のかごに、

風呂桶を入れている人がいたら、
読むのを途中で止めるけれど

驚かないでね。
その人たちに聞かれてしまったら、

たちまちこの辺りにも、
僕の駄作を知られてしまうからね」。

                             

良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。