クリスマスソングとビターステップ

※言葉遊びがしたかったので、タイトルにしましたが、本編はシュガーソングとビターステップは出てきません。

自分にとってのクリスマスソングはもっぱらビートルズの「レボリューション」で、なんでジョンレノンのあの「アベリメリクリスマース♪」じゃないのだと思われるかもしれないが、幼少時、家族でひとしきりクリスマスを祝った後に青盤を聴きながら本年の振り返りと新年の抱負を述べるという謎のコーナーがあった。そこでかかっていたのは冒頭に述べたレボリューションで、自分のロックの原体験はその曲だった。

というと聞こえはとてもいいけれど、小さい時はロックのロの字も知らないし、ギターとベースの違いなんてわからなかったし、英語なんて一ミリもわからない。しかし、シンプルなギターとベースとドラムの構成、リズムは私の心と体を踊らせる。たぶんビートルズは私が能動的に音楽を聞く、という体験を初めて与えてくれたバンドだと思う。

もう一曲、クリスマスと聞いて思い出す歌がある。

縁あってキリスト教系の学校に行き、ことあるごとに讃美歌を歌っていた思い出があるのだが、クリスマスに特別に歌われる「荒野の果てに」という曲も好きだった。聖歌隊の中でも抜群に上手い人がサビ(という表現が合っているのかどうかわからないのだけれど)の「グローーーーーーーーーーーーリア」というところがとても迫力があって良い。
社会人になって、友達とクリスマスに教会でも行くかとなり、由緒ある教会に行った時もこの曲を歌った。その後に、静かにお祈りをする。牧師が「どんな信仰をお持ちの方も、遠い国の人や、身近にいる人や困難を抱える人などを思い浮かべてみてください」と言っておられたのが印象に残っている。動と静の空間に戸惑いつつ、静かに思いを馳せた。他者のことを思いやる、また他者のことを祈る、ということがどれだけ恵まれていることなのだろうとぼんやり考えていた。

音楽は力だとか、ノーミュージックノーライフ、なんて手垢のついた言葉で表すことが恥ずかしいが、確実に音楽と思想は結びついているし、聞いてきた音楽と体験は密接に関係している。クリスマス、ぼっちの人も仕事の人も家族連れの人も、好きな音楽をかけながらちょっとでも心温まる出来事がありますように。

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