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北海どうでしょう#1|風と寒さと匂いと危険

無目的に、且つ無条件に何処を巡るにせよ、初心忘るべからずの《気構え》が肝要だ。それをひとつのコトバで表すならば……


『常に初陣』



そう、大泉洋も言っていた。
何度も行ったことがある場所でも、常に初陣の気構えで臨めば新たな発見もあるだろう。それが楽しいから旅することをやめられない。




🛵 カブで行こうとは思わない

自分は旅がスキだ。

暇と軍資金さえあれば、津津浦浦、何処へでも馳せ参じる覚悟。ただし、スーパーカブ50高崎達磨魚沼コシヒカリ(25kg)なまはげ面を荷台に載せて一路札幌を目指してひた走ろうとは微塵も思わない。わざわざ早朝に東京の銀座でナンバー取得済みのカブを購入してそのまま札幌まで乗って帰るとか、狂気の沙汰である。

銀座から札幌まで72時間以内にたどり着けるのか? といえば、机上計算のうえでは間に合う。さすがに1日実働8時間では無理だが、12時間稼働で走り続ければギリギリだろうか。実際、番組でも無事にゴールすることができている。きっと《大人の事情》もあったことだろう(謎)

——うん、まぁ、自分としては理論上『間に合う』とだけ言っt……
おや、誰か来たようだ。


さっぽろ創世スクエア 1Fロビー(2020-08-16)

HTB本社があるさっぽろ創世スクエア(札幌市中央区)で2台のカブが展示されていた。水曜どうでしょうリターンズを視聴していた時は特にナンバープレートを気にしていなかったけれど、よくよく考えたら東京の中央区ナンバーだよねコレ(違和感なし)

ともかく、
旅に出るなら時間に追われないほうがヨキ。


🎲     🎲     🎲


🍁 イチョウ並木の風景に思いを馳せる

さて、本題に移ろう。
本稿を書き起こそうと思い立ったのは、先日、札幌在住の友人から《北の最高学府》の風景写真が送られてきたからだ。それは北大金葉祭の光景と北大イチョウ並木の風景だった。


ふむ、あれからもう1年が経つのか。たしかにイチョウが見頃の時季だ。黄金色に色づいたイチョウが実に美しい。そして、秋から冬への移ろいをも感じられる。試される大地では、いよいよその本領を最高度に発揮せしむべき極寒闊達にして愉快なる理想時季が訪れるようとしているようだ。


(2022-11-05)
(2022-11-05)
(2022-11-05)
(2022-11-05)



DO北海道の秋はとても短い。

「いつかまた秋の《DO》を楽しみたいなぁ」

『1/6の夢旅人2002』を聴きつつ、友人から送られてきた写真を眺めながら札幌の秋の風景に思いを馳せた。


🎲     🎲     🎲


👕 半袖で行くヤツがバカだ

さて、本節では自分が初めて札幌を訪れた日のことを記しておこうと思う。
尚、数年間に渡って自分がカメラに収めた当地の思い出を随所に添えておくが、内容的にも時系列的にもガン無視をしているのでご容赦願いたい。



🌀 試されたのは自分だった

自らの足で初めて試される大地を踏みしめたのは、令和元年8月。その日のことは今でも鮮明に覚えている。一生忘れることもないだろう。

HND羽田発→CTS新千歳行のフライト便に搭乗した日の気温は30℃を超えていた。真夏日であれば半袖姿の出立でも何らおかしいことはない。


新千歳空港(2023-01-06)

しかし、だ。

CTSの到着ロビーを出るや否や、強烈な冷気に身を震わせた。体感温度的には摂氏一桁台に感じたほどの冷気。快速エアポートを乗車するために駅へ向かえば、体感温度はみるみるうちに氷点下だ。この時ばかりはさすがに、


「これが絶対凍土による洗礼か……」


と、恐れ慄いた。寒さと恐れ、ふたつの意味で体を震わされたのは生まれて初めてのことであり、試される大地に自分のほうが試されたのだと理解をした瞬間だった。

明治安田生命札幌大通ビル(2023-01-09)


🔥 観測史上初の灼熱っぷり

改めて、断っておく。
自分が初めて《DO》を訪れたのは夏の時季。暦の上ではすでに秋を迎えていたが、HNDを高飛びした日の気温は30℃を超える真夏日。

しかも、だ。

この年の《DO》はイカれていやがった。とりわけサロマでは灼熱度256%増量キャンペーンが開催されていた事実を我々は決して見逃してはならない。


\サロマ、イキすぎィ!/

出典:ウェザーニュース.“北海道 佐呂間で39.5℃を観測(15時まで) 5月の歴代全国最高気温記録”.2019-05-26.https://weathernews.jp/s/topics/201905/260195/,(参照 2023-11-11)


⚠️ 風と寒さと匂いと危険

まだまだ(本州では)残暑が厳しい夏真っ只中であったのに、その日の晩はブリザード級の寒波が吹き荒れていた。まさに掌を返すかのような鬼の所業、やはり《DO》は根本的に絶対凍土なのだ(違)

札幌に到着してからずっと「寒いさむいサm(ry」を連呼していたが、シベリア超特急並みに寒いものは寒いのだから仕方がない。夏に「寒い」というコトバを発したのは人生で初めてだったのかもしれない。

ただ、ひとつ言えることは……


風と寒さと匂いと危険を感じるんだ


ススキノ会館(2019-08-19)


🎒 『旅のカリスマ』になぞらえる

おかしい——。

これでは『ヨーロッパ・リベンジ』第一夜の冒頭そのもの、ヤラかし案件になってしまう。いざ鎌倉!の大号令のもと、事前に何も知らされず薄着のまま無目的に召集されたまたしても何も知らない源頼朝さん(34)が、陰謀渦巻く鎌倉の地で寝首を掻かれてしまうようなものだ(違)


——いや、少々言い過ぎた。幾許か、頼朝さんよりはマシだろう。その時の自分はたしかに半袖姿ではあったが、さすがに短パン・サンダルの暴挙までは犯していない。達観した旅のカリスマともなればワンランク上の優雅な旅コーデの心得があるのだろう。自分もより一層の精進に励みたい←


さっぽろ羊ヶ丘展望台・クラーク像(2021-01-10)


🍃 令風霜の威もすごく

夏はあまりラーメンを食べないが、さすがにブリザード級の寒波に身を震わせたせいか、あたたかいものを食べたい気分になった。せっかく札幌に来たのだ、ご当地ラーメンのひとつやふたつ食しておきたいところ。

「トン塩、食いてえ……」

札幌在住の友人とともにラーメンを食べに出掛けることになった。現地スタッフ札幌在住の友人による事前調査によれば、すすきの界隈においしいトン塩ラーメンが食べられるお店があるとのこと。商品化されたカップ麺がコンビニで販売されていることを思い出し、地元ではない自分でも店名を知っていた。

店名を聞き、文字通り、食指が動いた。
その店の名は『らーめん五丈原』


店名がヨキ。
かつて、三国時代の中國では蜀漢の丞相・諸葛孔明が魏を討伐するために五度にも及ぶ北伐を敢行したが、秋風吹く札幌くんだりまで北伐に来た自分にふさわしいではないか(違)

出典:横山光輝『三国志』59巻「秋風五丈原」表紙


🗾 母をたずねて三千里(違)

『五丈原』を目指して進軍した自分だったが、突風吹き荒れるすすきので道に迷ってしまい、いつまで経っても店に着けずにいた。

おかしい(二度目)

現地スタッフ中央区在住の友人に道案内をさせる気マンマンで大船に乗った気分でいられるはずなのに、歩けど歩けど目的のラーメン屋にはたどり着けないまま。

《孔明の罠》が発動したか?(違)

出典:横山光輝『三国志』55巻「祁山夏の陣」p.54

宿泊先のホテルがある中島公園界隈から『五丈原』まで徒歩15分ほどの距離感なのだが……


札幌市営地下鉄南北線に沿って《ニッカウヰスキーのおっさん》にお会いできるすすきの交差点へ向かっていたようで、挙げ句の果てには狸小路を観光気分で歩いていた希ガス(うろ覚え)

すすきの交差点(2022-11-03)

そう、我々北伐軍は『五丈原』ではなく《北極圏》に向かって進軍していたのだった(違)


母さぁーん
\ 僕は今 北極圏にいまぁす /

さっぽろばんけいスキー場(2020-01-25)

すすきのの繁華街を歩いていると《バニガ👯のお姉さん》が気合いMAXで来客をお出迎えしていた。ブリザード級の寒波に慣れた現地在住の人にとっては朝飯前の涼しさなのだろう、知らんけど。

なるほど、
これが噂の《空城の計》か(違)

横山光輝『三国志』52巻「街亭の戦い」p.168

さすがに《バニガ👯のお姉さん》は撮影できなかったので、代わりに《すすきの稲荷大明神》の写真を撮っておいた。

豊川稲荷札幌別院(2019-08-19)


🍜 死せる孔明、生ける仲達を走らす

《風と寒さと匂いと危険》に怯えながらも、ようやく『五丈原』の赤い看板を目の当たりにすることができて喜びもひとしおだった。この感動はラーメンが食べられる喜びよりも、寒さから解放されることの喜びのほうがとても大きく感じたものだった←

らーめん五丈原(2019-08-19)


『とんしお』がとても美味しかった🍜😋

とんしお(2019-08-19)




でも、ラーメンを食べ終えてホテルに戻る時はやっぱり寒かった🍃🥶
陣没したと思っていた孔明が突如と現れて、肝を冷やして逃げる仲達のようにサムイ思いをしたものだ(違)

——どうでもいいけど、北伐軍とか書いておきながらいつの間にかホラ話の立ち位置が魏軍になってね?←

出典:横山光輝『三国志』59巻「秋風五丈原」p.138


🥶 なまら寒かったよ

鴨々川沿いを歩いてホテルへ戻る時、


「あの人、半袖だよ m9(^Д^)プギャー」


と、地元民から後ろ指を指されていた気がした(泣)
このあたりの話は端折る。当時の寒さを思い出しただけでも泣きそうになってしまうから😢

まぁ、端的に言えば
『ラーメンを食べに行った』だけ。

なまら寒かったよ……

鴨々川(創成川)(2019-08-19)

HTB旧社屋(2020-01-25)



🎲     🎲     🎲



📝 あとがき

📺 聖地巡礼|HTB開局の地

初めての北海道旅行の目的は『聖地巡礼』
HTB(北海道テレビ放送)が開局50周年を迎えた2018年、札幌市豊平区平岸からさっぽろ創世スクエアへ移転した。自分はその翌年の2019年にこの地を訪れ、テレビで視聴していた平岸高台公園の景色を自らの眼で眺められたことに興奮を隠しきれずにいた。

この気持ち、《藩士》なら、きっとわかってくれるよね? 平岸高台公園初巡礼の様子については折を見て書いてみたいと思う。

平岸高台公園(2019-08-20)
HTB旧社屋(2019-08-20)

今年(2023年)も足を運んだ。平岸を訪れたのは3年ぶりで、平岸高台公園の様子は変わっていなかったけれど、HTB旧社屋の姿はすでになく分譲住宅地となっていた。

HTB旧社屋跡地には《セコマ》が建っていた。
ホットシェフのおにぎりが美味しいね🍙


——と、まぁ、初めて札幌を訪れた日のことをよくぞここまでgdgdと駄文を書いたものだと我ながら呆れつつw

平岸高台公園(2023-01-08)
セイコーマート平岸高台店(2023-01-08)


📓 次回予告|北海どうでしょう第二夜

北海道赤平市某所(2021-08-22)


💟 スキうた

🎶 1/6の夢旅人2002 / 樋口了一

1/6の夢旅人2002


🎶 How do you like the pie? / 打首獄門同好会

一生同好会します




🎲     🎲     🎲










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