読んだ/見たもの感想メモ_202006

遊ぼうぜ まだ6月だ!(7月)
先月はなんか漫画多めでした。ipad買ってからというもの無限に漫画を買えてしまって危ない。

●読んだ・見たもの

小説

『夜市』恒川光太郎

ホラーというよりも奇譚という感じで、ホラー分は少ない。不可思議で、理不尽で、どこか懐かしくて、ほんのり怖い。「夜市」も「風の古道」の全2編で、長さ的にも軽め。文章も読みやすい。

『マーダーボット・ダイアリー』マーサ・ウェルズ

一人称「弊機」の人型警備ユニットが主人公のSF。この「弊機」が本当に可愛い。
所謂ロボットなんだけども、やたら愚痴っぽかったり斜に構えていたり。人見知りで人間が苦手だったり。でも人間が嫌いなわけではなかったり。連続ドラマを見るのが好きで、疲れたり、辛いことがあると、お気に入りシリーズの第何話が見たい……などと(内心で)ぼやき始めたり、しかも連続ドラマで好きなのは「人間の勇姿」だったり。挙句、そんなロボットらしからぬ自分を「弊機はひどい欠陥品です」と自嘲する。
そんな、自己矛盾に悩みながら生きる「弊機」が、人を守ったり、人間の振りをしたり、自分の過去に向き合ったりする、そんな話。
全編にわたってこの弊機の視点で語られるのが、弊機に寄り添って、一緒に悩んで、一緒に決断して、一緒にぼやいてと、そんな読み味がすごく魅力的。読んでてとにかく楽しかった。

『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

大昔に読んだものを再読。言わずと知れた猫SFおよび時間SFの金字塔。護民官ペトロニウス(猫の名前です)、大好き。

話はずれるけど、プリパラのネコの名前にこの「ペトロニウス」が入っている細かさ大好き。いやまだネコが出てくるとこまでいってないですけど。
なんか、今度日本ナイズされて映画化するらしい。どうなるんですかねーと思いつつ、大好きな小説なので、それを機に普段SF読まない人とかが触れてくれるととても嬉しい。

『Babel I 少女は言葉の旅に出る』古宮九時

突如として現代から異世界に飛ばされた女子大生・雫が、偶然助けてくれた魔法士・エリクとともに、元の世界に戻るために旅する……という話。
雫には特別な能力もなく、会話は何故かできるけど文字の読み書きはできずみたいな、エリクにしたって優秀な魔法士ではあるっぽいけどどちらかといえば研究者色が強く、戦いが得意だったりするわけではない、ある種の素朴さというか、特別なことはできない平凡な民草のひとりという感じの二人が、厄介ごとに巻き込まれつつも、世界を旅していく。
時折、話に絡んでくる(いや、そもそもタイトルがさあ……)『言葉』が話の核なんだと思うんだけど、まだ一巻なので、ほとんど触れられず。これからどうなるんだろうな~と二巻以降が楽しみ。
古宮先生の文章の大きな魅力の一つだと思っている重めの文章と軽やかな文章のバランスは、今作でも思う存分に発揮されていて読んでて本当に気持ちがいい。
同作家の『Unnamed Memory』など他作品と世界を共有しており、『Babel』の世界は『UM』の300年後なのだそう。『UM』はファルサスという国の王位継承者が主人公で、『Babel』では主人公が自分の世界に戻るために魔法大国ファルサスを目指していて…みたいな、そういう、それだけでわくわくするようなことをやってくれる。同じ国名や単語、人名が出てくるだけで楽しい。読み進めればもっともっと楽しくなっていくぞ!とは、古宮先生の大ファンである友人の談。


漫画

何故かBLと百合を交互に読むというよくわからんことをやっていた。
ところで、私の言う百合は、基本的に女同士のクソデカ感情物語なので、恋愛色が弱くても百合って言ってること多いです。悪しからず。

『同級生』中村明日美子

BL。かなり唐突にBLが読みたくなり、周りの有識者におすすめ教えて!! と乞うたところ、じゃあまず『同級生』を読みな! ということになった。
いやもう、すごい良かった。惹き込まれてしまって、シリーズほぼ一気読みみたいな有様。
佐条くんが、見た目から氷みたいな冷たい男の子なのかなって思ってたんだけど、がんばって虚勢はってる子犬のような子で、そのあまりの可愛さに終始悶えていた。
「永遠のアテ馬」であるハラセンをはじめとしたサブキャラクタもすごく良くて、本編後の『空と原』、『O.B.1』、『O.B.2』も読むのが楽しかった。佐条くんの大学での友達の話とか、コマっちゃんの過去話(特にガールズトーク)が大好き。

『熱帯魚は雪に焦がれる』萩埜まこと

百合。不器用な後輩・小夏ちゃんと不器用な先輩・小雪先輩の百合。
お互い本当に不器用で、ちょっとひねくれていて、いろいろ考えすぎちゃう性質で、という……つかず離れず、近づいたらすれ違い、でもまた近づいて…みたいな、心地良いもどかしさがある。結構、すれ違う。
小雪先輩がほんとにこう、顔の良い美少女童貞で……小夏ちゃんを気遣いすぎちゃったり頼り方がわからなかったり……とにかく、もう、可愛い。すき。
絵が精細な綺麗さでとても好きなのと、サンショウウオなどを絡めた文学的・詩的な演出がめちゃめちゃに好み。
既刊7巻。

『ラジエーションハウス』横幕智裕(原作)、モリタイシ(作画)

友達から勧められた。
CTやMRIを操る放射線科医、放射線技師のお話。
なかなかスポットライトが当たりにくい(というイメージがあります)画像診断医療を軸に、人間ドラマやラブコメディが絡められていて、読んでて楽しい。
ラブコメ結構強めなんですが、ヒロインの杏ちゃんがあんまりに可愛いし、唯織くんとの関係の一進一退を見守るのが最高。
既刊9巻。

『恋と嘘』ムサヲ

超・少子化対策基本法により、最良の結婚相手が国から決められてしまう世界において、本当に好きな子と、国によって決められた結婚相手とで揺れ動く男の子の恋路の話。
いやもう、つらい。めちゃくちゃ面白いけどつらい。言葉にできない。ちゃんと感想書くのは完結したらにしてほしい。
もうなんか、りりなが幸せにならないと世界を呪ってしまいそうだし、にさか……ってなるし、もう……もう……
既刊10巻。

『セブンデイズ』橘紅緒(原作)、宝井理人(作画)

BL。週の初め、一番最初に告白してきた子と必ず付き合い、週の終わりに「好きになれなかった」と言って別れると噂の後輩・芹生冬至に、主人公・弓弦が興味本位で「俺とつきあってよ、芹生」って言うところから始まるBL。
すごく綺麗な話。いい感じに2冊でまとまっている。
最初のイメージ、芹生のほうが変わり者と思ったんだけど、意外と弓弦のほうがぶっとんでいて、むしろ基本的に芹生が振り回される感じだったのが意外で面白かった。

『今日、小柴葵に会えたら。』竹岡葉月(原作)、フライ(作画)

百合。高校デビューな養殖女子・成田佐穂子と自然体で生きてる天然女子・小柴葵の百合。
冒頭、高校卒業から数年後に開催された同窓会から始まり、高校時代を思い返す、という入りをするのですが、これが良い具合に不穏の香りがして、好き。以後、ちょくちょくこの同窓会のシーンが挟まる。高校時代は明るい話が多いので、どこか陰のある同窓会が良いアクセントになっている。単純に、何があったんだろう、これからどうなるんだろうと気になる。
意外だったのが、この佐穂子と葵だけでなく、その周りの人々の話が結構描かれていて、群像劇めいた話の進み方をする。これがかなり面白い。
まだ既刊2巻なので、続きが楽しみ。

映像作品

『プリパラ』

相変わらずちょくちょくと見ています。30話くらい。
ファルルの0-week-oldがかっこよすぎてまじで見入ってしまう。
あと、こういう長尺アニメを見るとき特有の「実家のような安心感」を感じてきた。らぁらの声を聴くだけで心が安らぐ……癒し……。
NETFLIXでの配信が終わってしまって、割と絶望してたんですけど、アマプラにもありました。入っててよかったアマゾンプライム。


終わり。今月は頑張りたい。何かを。


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