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INFJ彼の嫉妬①

INFJの彼はとても嫉妬深い。
想像もしない部分でヤキモチを妬いてきたりするので、驚かされると同時に、その裏にある深い愛情を感じてとても嬉しくなる。
そして彼が妬くのは、なにも人間の男に留まらない。
私が驚いた彼のヤキモチ、シリーズ化していくかも。

***

ある日、彼の家にGが出た。(唐突)
人生で初めてのGとの遭遇だったらしく(それにも驚いたが)、彼は結構なショックを受けた模様。
とはいえ別に騒ぐでもなく冷静に捕獲していたが、
その直後から、やたらと食べ残しや髪の毛を気にするようになった。
気持ちはわかる。Gを好む人は珍しい。
私はロングヘアなので、少量が落ちても数本が束になると何となく多く見える。
それはわかるが、
床が髪の毛だらけだね、とか
(Gは)タンパク質が好物だからね、とか
コロコロを素早く動かしたり髪を一本一本を拾いながら言われると、暗に、髪を落とすな、落としても拾えと言われているような気しかしなくて。

申し訳ないとは思いつつも、会話もよそにコロコロを使ってひたすらに自分の落とした髪の毛を取っていると、なんだか切なくなってくる。

何をしているんだろう?私は。
今日は泊まっていた彼の部屋から自宅へ帰る日だったから、尚更。もっとイチャイチャしたりハグしたり、楽しく会話したり、やることはたくさんあるはずなのに……。
そんなに、私の髪を嫌がらないでもいいのに…と。

悲しくなって思わず
「私の髪の毛とG、どっちが嫌なの?」
と聞いてしまう私。
少し、ピリついていていた彼は10秒ほどおいて、
「んー…そりゃ、Gだよ。Gの方が嫌に決まってる」と答えた。
そんな、即答すべきアホみたいな質問に対しての回答に、少しでも間が空いたこと自体が悲しくて、泣けてくる私。
なおも「髪の毛が嫌というか、髪=Gというか…」などとゴニョゴニョ言ってるので、私は自分の頭を指差して「じゃあ私のこの髪、Gなんだ?!Gが乗ってるように見えるんだね!!」とか嫌味ムーブを次々とかましてしまう。

二人の間に続く沈黙。
迫る別れの時間。
涙が止まらない私。

「あぁ…ごめん。ごめんね。」
観念したように彼は、私を抱き寄せて、謝る。

「君の髪の毛をGが食べると思ったら、たまらなくて。なんかもう全部許せなくなったんだ」

「?!」
いきなり何を言い出すのかと、瞬きしながら彼の顔を見上げると、優しくキスを落として彼は続けて言う。

「君の髪を食べていいのは僕だけだよ」
「他の人間、まして、Gなんかの餌にさせない。ごめんね。そんなにたくさん髪の毛落として、まるで君がGに餌付けしてあげてるみたいに見えて。嫉妬しちゃった」

「......」

虫に…嫉妬……

新しすぎて、瞬きの回数は否が応でも増える。
髪をそもそも人は食べないし、嫉妬する部分なのか…?
彼は、私の全てを欲しいのだと言う。
髪の毛一本ですら、他の生き物にくれてやりたくないのだと。
怖い、とか変わってる、なんてもはや思わない。
心底、目の前の彼を愛してると思った瞬間だった。

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