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闘鷲降臨~21-22シーズン選手別レビューVol.9 野﨑零也 #FE名古屋

戻ってきてくれて、ありがとう。

#12 野﨑零也 ~ZERO FIGHTERの帰還

 特別指定選手からチームに加入した後、群馬に移籍して2年。群馬のB1昇格に貢献した野﨑が、FE名古屋への帰還を発表したのは6月のこと。これまでいわゆる「元社員選手の脱サラ組」に対して再所属のオファーはなく、野﨑が初めてのいわゆる「出戻り組」となった。今季のFEはオフの時点でも目標である「B1昇格B2優勝」に向けて、これまでに比べても明確に眼の色が違う動きをして多くの選手を入れ替えた。その中にはこれまで屋台骨を支えた選手も含まれていて、チームのアイデンティティの継続という意味で辛い部分もあったのだけど、彼の帰還に救われた方も多かったのではないだろうか。書いている僕もその一人だ。

 群馬での2年間は彼を大人にした。身体を絞り、パワフルさに鋭さを加えて群馬のB1昇格に貢献したという自信も携えて帰還した「息子」は見違えるように成長していた。特に素晴らしいのはコーチ陣の求める役割をやりきる姿勢。野﨑に求められる役割は激しいディフェンス、速いトランジション、積極的なペイントタッチとそこからの展開、というあたりだったと思うけれど、チームの雰囲気が停滞している時に喝を入れるように躍動している姿が印象的だった。チームを優先にするあまり、自分のタッチが良くない時だと求められているタイミングでシュートを打てない、という状況がままあったが、相馬の姿勢に感化されてかその消極性も徐々に解消。ともに群馬から移籍してきたクウェリとはプレーの相性も抜群で、野﨑のペイントタッチからのクウェリのバスケットは停滞したタイミングのチームを前に進める大きな力となっていた。

 早々に再契約も発表され、プライベートでも父親となるなど充実一途。来季は待望のB1で野﨑が暴れまわる姿を見ることが出来そうだ。噂に聞く限り本人も「自分のサイズ的にもPG的なプレーの幅を広げていきたい」との意向があるようで、粘り強くパワフルなディフェンスとともに、フィニッシュとアシストの両立を追求するオフ、そして来季となりそう。還ってきた「息子」がさらにどれくらい大きくなってくれるのか、来季が楽しみで仕方がない。

Photo by ばんばん

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