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闘鷲降臨~21-22シーズン選手別レビューVol.4 エヴァンスルーク #FE名古屋

FE名古屋初の日本代表選手に。

#3 エヴァンスルーク ~勤勉さとオールラウンドさと

 昨季B3静岡に在籍。そこで日本国籍を取得したエヴァンスルークの加入が発表されたのは昨年6月のことだった。その後のロスター発表の中でも他のビッグマンらしいビッグマンはクウェリのみという状況で、事情通からは「エヴァンスルークをセンターで起用するなんて間違っている」とする論調が散見されたと記憶している。実際彼はサイズ、体重ともにビッグマンとしては平均程度かやや小さいくらい。単純により大きい選手に当てたところで、という考え方は一理ある。

 蓋を開けてみると、彼をセンターとして固定する、というより、3人のビッグマンの一人としてそのオールラウンド性と勤勉さを活かす、という方針が見事にマッチ。ランダル、ジェレミー・ジョーンズ、そして彼を並べたラインナップは誰と誰がスイッチしてもインサイドアウトサイドそれなり以上に守れる、という特性を活かすことができ、ピック&ロールからの攻撃が全盛のリーグでそのキーとなるプレーを壊すというチートぶりを発揮。その中でルークも時にはビッグセンター相手に身体を張り、時には30cmも小さいガードを守り、マークのズレが出来れば入れ替え、と見事にチームの守備戦術を遂行してみせた。サイズがないこととハードワークから時にはファウルトラブルになることもあったが、そこでチームが停滞することが多かったことは何より彼の存在感を表すものだろう。

 守備だけでなく攻撃でも、器用ではないながらも多くのプレーを及第点以上でこなすのがルークの魅力だが、唯一苦手としているのがフリースローだった。今季も序盤はともかくフリースローが入らず、せっかくファウルをもらってもターンオーバーと変わらない結果になることも多かった。ただ、どうなることかと思ったフリースローの精度も、日々の練習により徐々に向上。また、日本代表に選ばれてそこで受けた指導などで刺激があったのか、日本代表合宿から帰ってくるたびにフリースローその他の長めのシュートのタッチが向上していたのも面白かった。かわいい子には旅をさせろ。おそらくトム・ホーバスの方針とも合致するのだろうが、全くのオープンであれば3Pを打つこともいとわなくなった。迷いのないプレーとは案外大事なもので、色々なプレーを得意じゃなくても自信満々に見えるように行う、そうできるように日々の練習をするのはとても大事なこと。FE名古屋と日本代表の合作で、勤勉で積極的な素晴らしいビッグマンが生まれたように思う。

 今のところ去就についての情報はほとんどない現状だが、貴重な帰化アジア枠の選手でもあるので、複数年契約だったと信じたいところ。来季はB1なので彼が代表ウィークにいなくなる心配もない。思う存分、チームと代表両方で暴れてほしい。

Photo by マメちゃん

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