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闘鷲降臨~それは窮鼠か手負いの虎か(21-22Game2)#FE名古屋

胃薬が必要な試合展開からREBORNしたい(切実)

FE名古屋 73-71 越谷

 開幕戦を白星で飾ったFE名古屋。さらに、昨日のケガの影響でブラッキンズが、そしてなぜかは不明だがハギンズがベンチ外という思わぬ展開。しかし、準備してきた内容のあてが外れた場合、こういう戦力ダウンが良いほうに転ぶとも限らない。それが越谷という窮鼠でもない手負いの虎ならなおさらである。

 1Q、主導権はFE名古屋。この日も守備では出足鋭く、4つのスティールを奪うなど良い守備を見せる。ただ、前日大活躍した相馬が無得点3TOVとブレーキとなり、なかなか大きなランを出すには至らない。一方の越谷は外国籍2人がいなくとも真ん中にはバッツが鎮座。今日は開き直って2-3ゾーンでバッツの運動量の温存を図る。本来ならクウェリらの技術でバッツを引き出したいところだがゾーンではそうもいかない。こうなると純粋に外のシュートが入るかがモノを言う。1Qはまずます外が入って先行できたものの、ペイントエリアを攻略できていない状況が続く。

 ペイントエリアが攻略できず外一辺倒になれば、外が入らないときは得点が停滞する。というか、今日は高さのリソースに乏しい越谷は、外をある程度やらせてもいいからゾーンで相手のズレを作る形を消したほうが効率がいいと判断したのだろう。果たして2QはFEの外のシュートが全く沈黙。2-3ゾーンのギャップを突こうという動きは見られたものの、バッツが待ち構えていくところに突っ込んでいく形で圧力をまともに受けてはシュートをねじ込むのも簡単ではない。26-26の同点となっていた2Q残6:13秒から4分のスコアは2-15と圧倒され、最大13点のリードを許すことになってしまった。その後10点差からの最後の攻撃で野﨑が3Pを決めていなければかなり苦しい展開だっただろう。

 3QはFE名古屋の時間になった。3Qの入りもスターターに戻さずにJJランダルルークの3BIGでゾーンを組みつつ、守備の圧力を強めて相手の攻撃をシャットダウン。5分弱の間に1ポゼッション差まで詰め寄ることに成功。そしてここでこれまで切らなかったカードを首脳陣は切ってきた。選手構成上本来ならあまりやりたくないと思われる、クウェリとルークの同時起用。どうしても外に出たがるランダルではなく、はっきりした2in3outの形を作ってゾーンを攻略したいというメッセージだろう。この形になったことでようやくペイントゾーンが攻略できはじめたうえ、相手の攻撃も上手く停滞させることに成功。逆に57-52とリードを奪って最終Qへ。

 最終Qはお互い体力を使い果たした消耗戦の様相だった。FE名古屋も相手に6個のオフェンスリバウンドを献上した一方、2-3ゾーンを組み続けた越谷の選手たちも限界に近く、明確にリバウンドへの反応が落ち始める。こうなると2-3ゾーンでリバウンドを確保するのは難しい。このQ、FE名古屋のオフェンスリバウンドは越谷のお株を奪うように9を数え、なんとこのQには1本も入らなかった3Pを補い、勝っている側のチームとしては何よりありがたい「時間をつぶす権利」を得て試合を進める。最終的には4点差から越谷の長谷川が3Pをヒットさせて1点差としたものの、その後のファウルゲームで長谷川が5ファウルで退場してしまい、最後の一押しを欠いた越谷をFE名古屋が押し切った。

バスケットボールナビ 結果

雑感

○野﨑の打開力
 劣勢のときほど輝く野﨑の打開力が遺憾なく発揮されたこの試合。前半の10Ptsは追いかけるチームとしては勇気100倍となる得点であった。できれば最後のFTは2本キッチリ沈めてほしかったところではあるが、勝つために必要な、相手の嫌がることをしっかり体現できる知性は以前と変わらずで安心である。

○石川海斗の役者ぶり
 チームを粘らせたのが野﨑なら、追い上げの原動力となったのは石川であった。相手がゾーンを敷いていたため、急所を刺すようなアシストこそほとんどなかったものの、自らも得点しつつ的確な指示と動きで攻撃をけん引。スコアリングガードとしての実力の片りんを見せつけた。

○クウェリも覚醒間近
 昨日はイマイチの出来だったクウェリだが、今日は少しずつシュートタッチも合い始め、またゾーンアタックの起点としても機能できていたのは好材料。フリースローは入れてほしいけど。

×ランダルはもう少し我慢してチームオフェンスを
 昨日のPotGのスクーティだけど、今日は開き直って2-3ゾーンを仕掛けてきた越谷に対して、いつも通りやりたがりすぎてチームオフェンスの流れを損ねている印象だった。終盤ルークが退場した後はしっかり役割をこなしていたところを見てもやればできる選手なわけで、この辺りのムラっ気の制御が課題になりそうだ。

本日の採点

20211003名古屋越谷Game2

(オマケ 両チームHCコメント、Play of the Day)



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