見出し画像

闘鷲降臨~アップデートは順調?(21-22プレシーズン)#FE名古屋

枇杷島にバスケが還ってきた。書きたいことがありすぎて5000文字超えてます←

FE名古屋 84-48 静岡

 オフの間に大きく陣容を変えたFE名古屋。クウェリが未合流、ジェレミー・ジョーンズがおそらくコンディションが整わず欠場、という形で、この日の試合は10人をベンチ登録して臨むことになる。こうなるとチャンスなのは、シーズンに入ってからもローテーションに食い込みたい、#6林瑛司 と#10会田太朗 の若手2名。彼らの躍動が見られるかが事前の試合の焦点だと捉えていた。もちろん、新加入の選手は楽しみなんだけど、まあ彼らはやってくれるでしょ、というところ。

 対戦相手の静岡はその土地柄もあってか関東と名古屋の選手が良く集まってくる印象。この日は名古屋から移籍し、引退することになった高村のセレモニーが行われることとなったし、今オフには飛田が移籍。B2を目指す実力をもつチームとのプレシーズンゲームは、今年の初戦としては最高の相手だと思える。

 FE名古屋のスタートは #21笹山貴哉 、#18相馬卓弥 、#45鹿野洵生 、 #0アンドリュー・ランダル#3エヴァンスルーク の5人。昨季からは実に5人が入れ替わっている。静岡は岡田、飛田、エールネセル、加納、ダマの5人。ステファンは結局出てきそうな感じはしなかったので、合流したけどコンディションが整ってないというところなんだろう。

 1Qはお互いに守備意識が高い立ち上がり。静岡のガード陣はかなり高い位置から強いプレッシャーをかけていたので、笹山がかなりエントリーに苦労していた。ランダルをポイントフォワード的に使って打開していたけど、その後の攻撃がイマイチ散発だったことを考えると、かなり効果を発揮していたと思われる。
 ただ、こちらも脚は良く動いていたので相手にもいい攻撃はさせていなかった。肝になるのはエールネセルと鹿野のマッチアップだったと思うけど、フィジカルの差を感じさせない粘り強い守りで最後のところをやらせずに守れていたのが大きかった。
 とはいえ、最初の5分ほどはとにかくFE名古屋の外のシュートが入らず、どちらかというと静岡の流れ。これを打開したのが交代で投入された #12野崎零也 (本来は﨑)だった。アーリーオフェンスの流れでオープンでトップからの3Pを決め切ると、FTと隙をついたドライビングレイアップで停滞したオフェンスを加速。18-11として第2Qへ。

 2Qもお互いに停滞した流れ。お互いに決め手を欠く中、支えたのがルーク。リバウンドを取ってボールをプッシュ。スクリーンをかけてダイブ、と精力的に動き回り、得点を積み上げて点差を維持。
 また前半終盤から登場していた林はエールネセルとのマッチアップを任され、鹿野とは違った形で上手く対応。もちろんやられることもあったけど、概ね守備で大きな穴をあけることなく、攻撃でも積極的なプッシュやドライブで存在感を見せていた。一方の会田もダマとのマッチアップで奮闘。こちらはあらゆる点でまだまだ、といいつつ、少なくともフィジカルや基本的な動きの部分では試合に入れるところは見せていた。
 FE名古屋 32-24 静岡で折り返し。

 3Qはハーフタイムにおそらく指示が出たのだろう。最初の攻撃でルークがポストアップするとスキップパスからの相馬のコーナー3で加点。この後もポストアップからのボールムーブで3Pがヒット。ポストアップからの攻撃が成功したところで相手が守備の的を絞りづらくなったか、明確にボールムーブが改善、少しずつ差が開き始めた。シューターがリズムに乗り始めると、アーリーオフェンスからも3Pが決まるようになる。守備からの速い展開は常々 #川辺泰三HC が理想と口にしている内容だけれど、この日の3Q半ばあたりはそういう理想的な形がたびたび出ていたのではないだろうか。
 守備も安定して相手のやりたいことをやらせない形、というか、そもそも静岡はやりたいことが見えづらい形であった。まあ、飛田あたりがスクリーンをかけてもかけても追いかけてくるFE名古屋の守備に相当苦労していたので、FE名古屋の選手、特に日本人選手の脚が良く動いていたと肯定的に捉えたい。
 3Q終わって58-37と点差は20点台に。

 4QもFE名古屋の守備はほころびを見せず、静岡はだんだん反撃意欲を失っていった。余裕を持った起用で瑛司と太朗の研修のお時間に。太朗についてはスクリーンセットの判断間違えて #11石川海斗 に雄たけびをあげられてたところからもわかる通りまだまだ判断力はこれからという感じではあるんだけど、昨年はそもそも試合にほとんど絡めてなかったことを踏まえれば、フィジカルとスキルの面で「試合に絡めてみよう」と思わせるだけの成長を見せてくれたのは素晴らしいよね、という内容の最後5分。あと、いくら細身のダマとはいえふつうにマッチアップしちゃう鹿野は流石の一言であった。

 最終スコアは84-48。B3加入初年度の岐阜相手に爆死しかけた3年前の夏を思うと随分力強いチームになったものだ、としみじみしつつ、先が楽しみになる結果。

(詳しいスタッツはカブレラくんが手集計してくれているのでこちらも読んでね)

今年もやれるといいな、な個別採点

#0アンドリュー・ランダル  6.0
 今季加入の外国籍選手。得点力については折り紙付きだし、この日もボール運びなどで器用さを見せてくれた。一方で4番としてはやはりアンダーサイズなので、スクリーナーになってもらう時にどんな動きをしてもらって活きてもらうか、というところはまだこれからのような印象だった。まあ、まだ合流間もないし。あと、ややフォルムが丸いように映るので、多分コンディションもこれからだろう。上手く上げていってほしい。

#3エヴァンスルーク  6.5
 今季加入の帰化枠選手。本日のMVP。どのプレーをやらせても75点取れます、というポテンシャルなのだろうけど、その75点をどこで振るえばいいかを見極める賢さと、常に発揮できるようにふるまう勤勉さが最大の特徴なんだというのが良く分かった本日のプレーぶりであった。
 リバウンド、ボックスアウト、スクリーンととにかく労を惜しまないし、必要に応じてボールを運べるだけの器用さも兼ね備えている。4番の選手がリバウンドからあれだけプッシュしてくれたらテンポアップが出来て大変ありがたい。リバウンド→プッシュして前方の野﨑にパス→野﨑が2人引き付けて太朗がイージーフィニッシュの流れは大変美しかった。
 ランダルがどれくらい4番が出来るか、という部分がクリアになるまで、またクウェリの状況によっては彼にかかる負担は非常に大きくなると思うけど、過剰な負担で怪我などをしないよう上手く使ってあげてほしい。

#18相馬卓也 6.0
 今季新加入、前年のB2の3P%リーダー。この日はややシュートタッチには苦しんだところもあり及第点の出来。ただ、コーナーでオープンでもらえばセットからであろうがアーリーオフェンスであろうが決める、その決定力は流石。普通にボールも運べるしパスも出せるうえ、守備でここまで脚が動く選手だとは思っていなかったのでうれしい誤算である。スポットシューターで使うのももったいない万能選手なので、ピックのハンドラーとしても攻撃に組み込んでいってほしい。

#21笹山貴哉 6.0
 今季新加入。どちらかというとボールを握って周りを動かしながら自分が活きるタイプ、という特性もあり、まだチームメイトの中でどのような活き方活かし方をするかはこれから、といった感じのプレーぶりだった。それでも時折見せるパスの切れは流石のひとことだし、3Pも一本沈めて一安心、というところだろう。また、ポイントガードとしては恵まれたサイズの上、守備でもまずまず脚は動いていたので、昨季まで勝負所で悩まされた「守備のローテをすると1番のところでサイズ的な穴が開く」という事態の解決には一定のめどがつきそうだ。名古屋Dからの移籍ということもあって笹山推しの皆様が大挙来場されていたようなのも印象的だった。

#45鹿野洵生 6.5
 スタメン唯一の継続選手。川辺バスケを知るものとして安定の動きだったが、この日は何より外国籍FWのエールネセルに対し、フィジカルの差を乗り越えて粘り強くつき続けるディフェンスが非常に効果的であった。そこでかなり脚を使っていたので攻撃は…と思いきやオフェンスが厳しい状態でのフェイダウェイに、3Pも2/5と十分な確率で沈めてベテランの元気さをアピール。今年も頼れる存在でいてくれそうだ。

#11石川海斗 6.0
 今季新加入。被害者の会から加害者の会に加われるかと思うとワクワクするが、この日についてはまだまだ能力全開はこれから、という印象。自分が活きつつ周りを活かすタイプとはいえ、その周りの理解はこれからなのだろう。それでも、思ったよりも自分でガンガン行くより、ポイントガードとしてコントロールするところが見え隠れしていて、楽しみなプレーが多かったように思う。また、読みの良さはともかく粘り強く脚を動かす守備という意味で特徴がある選手という印象はなかったのだが、非常に粘り強く脚で守る守備をしていたのも印象的だった。チームプレーを行いながら、魅せるプレーを行うという美味しいとこ取り、期待できそうだ。

#12野﨑零也 6.5
 放蕩息子はダイナモとして帰ってきた、みたいな。1Q、停滞していたチームの攻撃で、早い展開から7p1Astで1Q最後の9点すべてに絡んだのは見事というほかない。その後も攻撃のみならず粘り強い守備でも貢献。エールネセルに対しても身体のぶつけあいで負けないのは彼らしいが、それ以上に飛田をどこまでも追いかけまわすような粘り強さで飛田のシュートに残したい脚を消費させていたあたり、彼の貢献度は高かった。精神的に一回り大きくなって帰ってきた若武者の今季が楽しみだ。

#6林瑛司 6.0
 昨季はロスターの最後の一人を争う状況でなかなか出番を得ることはなかった林だが、この日は一定以上の時間の出場時間を確保。練習のシューティングから明らかに3Pのリリースの速度、そして精度が上がっていたのは見て取れたんだけど、そうとうな練習を積み重ねてきたのか自信をもってプレーを選択できているのが印象的だった。
 アジリティも十分に上がり、エールネセル相手の守備も無難にこなしてみせたところはアピールとしては十分だろう。JJがロスターに入ってくるとまた少し出番は変わってくるだろうけど、ローテーション争いに名乗りを上げる準備はできたのではないだろうか。

#1宮崎恭行 6.0
 シュートは入らなかったけど昨年同様機敏に動き回っているところを見れば、得点が入らなかったこと自体は些細な事。あの動きなら笹山や石川になにかがあったとしても数試合くらいはとくに問題なくカバーしてくれるだろう。出場時間自体はさほど長くならないだろうけど、その短い時間で何かをやってくれるに違いない。

#10会田太朗 5.5
 頑張ってたからオマケの評価な!というのは冗談としても、ここで点数を付けられるくらいの出場時間をもらえていたことは単純に喜ばしい。ウォームアップでも結構ダンクまで行くことが多くて、かなり練習してキレが増していることがうかがえる。今日はたくさんブロックを食らっていたけど、ブロックを食らうということは良い形でボールをもらえているということなのでそこは自信を持ってほしい。準備を早くしてダンクフィニッシュを増やしてほしいところでもあるけど。
 守備面ではもっと体のぶつけ方を覚えてほしいし、B2の外国籍ビッグマンが相手になると考えればムッサ・ダマあたりにやられてはいられないはず。地味に層が薄めのビッグマン陣、彼の頑張りがシーズンの結果を左右するかもしれない。

#22ジェレミー・ジョーンズ
 まだコンディションが整っていないのか、この試合は見学。どんな選手か楽しみ。もっと入国に時間がかかるかと思っていたので、早いタイミングで見られそうなのはうれしいところ。

#41ブライアン・クウェリ
 未合流だけどcoming soonという風のうわさが。彼が入ってきて初めて、という部分も大きいと思うので、慌てず急いで正確にケミストリーを形作ってほしい。

#首脳陣 6.0
 新加入の日本人選手が軒並み良く脚が動いて守れていて、そうとういい形で練習を積み重ねられたことが伺える試合になった。ビッグマンコーチも入閣し、陣容を増強。選手のクオリティも増して実に楽しみなシーズンになった。

次節へ向けて

 次週は三遠とのプレシーズン。直接見ることはできないけど、ありがたいことに放映は行われる模様。JJは合流できるのか、なども含め、楽しみにしたい。

この記事が参加している募集

Bリーグ

サポートいただくと、現地レポートの割合が増えます。何卒。