見出し画像

闘鷲降臨~21-22シーズン選手別レビューVol.15 鹿野洵生 #FE名古屋

その献身に、心からの御礼を。

#45 鹿野洵生 ~B1基準をチームに教えてくれた君に

 突如の渡邉HC退任と川辺ACのHC昇格、コロナでの途中中断、など色々あった2019-2020シーズン。鹿野洵生はそんなシーズンに、B1を知る存在として滋賀からやってきた。独力で局面を変えてしまうような存在ではなく、サイズはともかくフィジカルにも恵まれているわけではないが、守備をやりきる力、先を読む力、守備をコーディネイトする力は素晴らしく、折に触れ川辺HCが信頼を口にしていたのを覚えている。

 月日は流れ、今季は鹿野にとっては試練の年だったのかもしれない。夏のオフのトレーニングで大きな成長を見せた林瑛司が相馬の怪我の期間に、鹿野にはない当たりの強さも活かした守備と積極性を増したシューティングで台頭。ローテに食い込んだ若手の前に、コート上の出番が限定される日々も続いた。それでも、ひとたびコートに立てば自分の出来ることを100%の力でやりきる姿はいつものまま。プレーオフでは大事なところで起用されると、経験を活かしたポジショニングと高い運動量を活かした守備でチームを助けるなど、頼もしいベテランが控えていることは、今季のFE名古屋の層の厚さを表していたように思う。

 この献身的な姿勢は試合のみならず練習でも影響力大だったようだ。3季目ともあって川辺HCの求めるプレーもしっかりインプット済みの彼は練習から惜しみなく新加入のチームメイトに伝え、ビッグマンの人数が足りなければビッグマンとしてスクリメージに加わり、と我々が伺い知れぬところで八面六臂の活躍を続けていたそうだ。また、副キャプテンとしてムードメーカーとして、チーム内外への影響力も大きかった。今季の鹿野は、数字に表れない活躍も必要なのだ、ということを改めて我々に教えてくれる存在だったのではないだろうか。

 残念なことに今季で契約は終了し、別のチームでのプレーを模索することになっているようだ。ベテランと言っていい年齢には差し掛かっているし、攻守ともに弱点ははっきりしている選手ではあるのだけど、それを補って余りある経験とインテリジェンスは、きっと次に行くチームの助けになることだろう。3年間ありがとう、の言葉を伝えるとともに、新天地での活躍を祈りたい。

Photo by おくかず


サポートいただくと、現地レポートの割合が増えます。何卒。