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闘鷲降臨~20-21シーズン選手別レビューVol.12 荒川颯 #FE名古屋

地元っ子にはグッドラックと言いたい。

24 荒川颯~必要なのは成功体験

年末にハンドラーである松山、杉本などが出場不可となったタイミングがありました。川辺HCの指導下のFE名古屋においては、ピックアンドロールからの展開がほとんどで、ハンドラーが足りないとゲームにならないこともしばしば。恐らくHCからのリクエストもあったのでしょう。渡邉GMが声をかけ、連れてきたのがこの荒川颯でした。名古屋市出身、182cm78kgの彼は、高い身体能力と独特なリズムのハンドリングが持ち味のハンドラー。滋賀で練習生として活動していた彼に白羽の矢を立てた形になりました。

実際のプレーも、ふたを開けてみると躍動感は抜群。やや軽いきらいがあるとはいえ、エース杉本と比べてもそん色のない身体能力で、ドライブからの美しいアシストを魅せることも多くありました。

そんな彼を悩ませたのは、前シーズンから続くシューティングの精度の問題だったのではないでしょうか。試合前の練習を見ているとけして「入らない」という印象はないのですが、試合に向くとなかなか決めきれない。特に3Pは壊滅的で、福岡に在籍した昨季に続き、成功数0という不名誉な記録を更新。これだけ入らないと相手もここで打たせること、抜かれても中間距離でのジャンパーに追い込むことを主眼に守るわけで、それもなかなか確率良く決まらないとなれば、苦しくなるのも致し方なし、というところではないでしょうか。

それでも、プレーオフ第1戦などでは杉本が頭に血が上ったところでクールダウンの時間を与えるためにコートに投入されると、攻守に積極的に動き回り、杉本にしっかりと切り替える時間を作ってみせました。苦手なことがあるとはいえ、自分に出来ることをしっかりと準備していた、その集大成があのプレーに出ていたのではないでしょうか。

今後彼がプロとしてプレーしていくのであれば、やはりシュートを打ち、決めるだけの技術と、シュートを打ち切るだけの自信が必要不可欠。そのためには弛まぬ努力と、少しの成功体験が必要になるのでしょう。地元出身の若者が、少し自信を取り戻して輝ける舞台がどこになるかはわかりませんが、その日を楽しみに見守りたいと思います。

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