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闘鷲降臨~21-22シーズン選手別レビューVol.12 笹山貴哉 #FE名古屋

聞きしに勝るスムースさに鳥肌が立つほどの思いでした。

#21 笹山貴哉 ~終わってみると、流石はB1のPGという

 昨オフ精力的な戦力補強を行った中でも、大きな驚きをもって迎えられたのが笹山貴哉の名古屋ドルフィンズ→FE名古屋の移籍だったのではないだろうか。現状クロスタウンとはいえカテゴリも違ったので「禁断の移籍」的な反応ではなく、名古屋Dのブースターからも「笹山を近くで見られる」という肯定的な声の方が多かったように見えた。いつかこれが喧伝される日が来るんだろうか。来るといいな。
 さておき、Bリーグ開始当初からB1のチームの主力ポイントガードとしてプレーしてきた笹山。昨季は怪我もあり、また滋賀から移籍してきた齋藤が素晴らしいプレーをしたことからやや出番が限定された、ということが今回の移籍の引き金になったと考えられる。

 同様に移籍してきた石川海斗とポジションを争った今季は、特に序盤はスコアリングPGとしての本領を発揮。最初の17試合で7度の二けた得点、そして石川海斗とはむしろツーガードで共存するなど、B2のファウルの基準に苦労しつつも素晴らしい活躍を見せた。が、良いことばかりは続かないもの。11月末にハムストリングを痛めて離脱すると、コンディションの向上に思いのほか時間がかかったこともあり復帰は2月に。さらに復帰直後の福岡戦では鼻を叩かれて骨折、しばらくマスクで試合に臨み、その影響もあってか乗り切れない時期が続いたのは不運だった。

 そんな中でも徐々に調子を上げていき、白眉となったのはB2プレーオフ。状態の向上と、B1基準のレフェリングもあって攻守ともに上がったインテンシティに見事に対応。一段上がったギアでB1主力の底力を感じさせる活躍を見せた。一番印象的だったのは、マッチアップメイキングからジャスティンバーレルを1on1で攻めてフローター気味のフックで決めきったプレー。これに限らず、今季の彼は左手から繰り出される「天使のフローター」を幾度となく見せ、B1選手の技術のすさまじさを教えてくれたと言えるだろう。

 優勝決定後のインタビューなどを見ていても、石川同様来季の契約もありそうな様子。たびたびB2の笛へのアジャストの難しさを口にしていただけに、B1復帰でやりやすくなるのではないだろうか。古巣との名古屋ダービーも控え、来季への期待も大。とにかく怪我には気を付けて、B1初年度のFE名古屋を引っ張っていってほしい。

Photo by ばんばん

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