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#26 ソルジャー社員(魂ありのレア社員)

レア度  ★★★★★
やる気  ★★★
耐久力  ★★★★
技:仕事をする、我慢する、自己研鑽する、ストレスを発散する

解説
白いブラック企業の主な構成員のソルジャー社員の中には表向きは魂は抜けて従順なフリをしているが、その内側では正しく熱い心を保っているものもいる。腐れ管理職や他のソルジャー社員に正体がバレてしまうと村八分にされ、酷い扱いをされるためふだんは他のソルジャー社員たちと同じくどんな理不尽な命令であっても黙って従順に「仕事をして」おり、間違ったこととわかってはいても「我慢をして」いるのである。少しでも気を抜けば魂が抜けてしまいそうになる毎日であるが、まともな精神を保つため、自分の目標を見失わないように会社とは別に、そして誰にも知られないように「自己研鑽」を積み有事に備えているのである。また、会社とは無関係な気のおけない友人たちや家族と過ごすことで「ストレスを発散」している。会社の人間との飲み会では本音は出せない。仲間のフリをして周りと遜色ない態度と言動を保たなければならない。いればいるほどストレスを溜めるが、会社の飲み会に出なければ二心を疑われて、陰湿ないじめのターゲットになる。そうなればこの会社から旅立つしかなくなる。しかしそれは逃げだ。だから今ではない。苦しくて逃げて旅立っても、決して行った先で良いことなど望めない。旅立つならば最高点で飛び出すぞと今は我慢である。

ただ、この魂を失わずに正気を保ってソルジャーのフリをしているというのは相当の精神力と忍耐力を必要とする。少しでも気を抜けば魂が飛んでいってしまうか、正気を保てず発狂してしまう。そんな状況なら早く転職でもした方が良いのではないか?と思うことだろう。私もそう思う。実際にそれとなく無理をしないようにと話したこともある。ときに迷う時もあるらしいが、がんばってクソな管理職たちに抵抗して会社を良くしようとしているレジスタンス社員の姿を見て自分もがんばろうとしているようだ。少数のレジスタンス社員は決して同志を勧誘しているわけではない。どちらかというと自分たちと同じ目に遭わないように大人しくしていることを推奨しているくらいだ。しかし、逆にそういう姿に現場に耐え忍んでいるまともな心をギリギリ保っているソルジャーのフリをしている社員にとっては英雄に見えるのかもしれない。徐々に感化されて腐れ管理職に反旗を翻してしまうこともある。クレームが口から漏れてしまうこともある。ふだん自分を押し殺して耐えているだけに漏れる言葉には忍耐の限界から漏れた切実な思いを感じる。
苦しい。いい加減にしろ!もうたくさんだ。
言葉には明確には出さないが表情と仕草、漏れ聞こえるわずかな言葉に苦しい気持ちが滲んでいる。

まともな社員が普通に働ける職場はもはや希少だ。
出る杭は打たれる。打ってもダメなら抜き捨てたれる。
白いブラック企業が本気を出せばどんな杭も抜き捨てることができる。
どんな扱いをしても死なないと基本は思っている。
国も世論も死なない限り動くことは稀である。
そして白いブラック企業はたとえ死んでしまってもお金で解決するという手段を持っているのだろう。映画の中、特にあり得ないと思っていた近未来系のやばい奴らが牛耳っているやばい社会は実はもう存在しているのだ。
誰もが皆、そうした闇と隣合わせて生きている。
もしかしたらすでに闇の中かもしれない。
ただそれに気づかないのが幸せなのかもしれない。


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