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「みんなで一緒にやりましょう」という言葉の闇

かつての会社組織では、多くの人の協力を得ることによって大業を成すことができるとされてきたため、多くの人を巻き込むことは良いこと、推奨されることとされてきた。これは巻き込んだ張本人がリーダーシップを取っていくこと、そして巻き込まれた側もまた、参加するからには誠心誠意尽力するという前提があってのことである。現在の白いブラック企業で行われている周りの人間を巻き込む行為、
「みんなで一緒にやりましょう!」
「みんなで一緒に考えましょう!」
「みんなで一緒に頑張りましょう!」
という一見すると「和を以て尊し」と思えるかもしれないが、その実態は理想から遠くかけ離れた代物となっている。
巻き込む側も決してリーダーになる気はないし、集められた側も付き合い程度にしか考えておらず、参加してと言われたから仕方なしに参加しているだけであって、誠心誠意何かをするということはない。そんなんだから基本的には発言もしない。仮に下手なことを言って責任を取らされるのはバカバカしいし、何かを提案したら決して本心としては良いなどと思ってもいないくせに「それはいいですね」などと囃し立てられてリーダーに祭り上げられたらたまったものではない。
みな「沈黙は金」とばかりに黙っているのである。
真っ当な人間にしてみれば、正直なところ時間の無駄だから関わりたくないというのが本心なのだろうが、組織に所属する者としての建前で、無駄な会議であろうと付き合わなければならないのだ。そう言った大人の事情というものがあるのである。会社としては無駄なこと極まりないことなのだが、今のご時世でまともなこと言う人間もいないから、こういった無駄な会合が横行しているのが実情である。
白いブラック企業ではこんな無駄な会議も、働きたくない連中にとってはかっこうのカモフラージュになる。要するに働いているフリをすることができるのである。だから奴らにとっては、無駄な会議だろうと文句を言わずに参加して一日の多くの時間を潰すことができるありがたいイベントなのである。
だからこそ
「みんなで一緒にやりましょう!」
と無駄な共同体を率先して作ろうとするのも奴らである。
結果が出ようと出まいと関係ない連中であるから、多くの人間を集めておけば体裁だけは整えられる。そこで議題なのか雑談なのかわからないおしゃべりが1、2時間、長い時には半日という無駄な会合が毎月やっているのだから驚きである。そういった会合がいくつもあればパッと見は忙しく会議に参加しているように見えるから、働きたくない連中には嬉しいイベントかもしれない。しかし、会社としては実質的には何も成すことがなく、無駄な時間としか言いようがない。まぁ、こういった無駄なこと「無駄だからやめろ」と言える人間が白いブラック企業にはいないのも実情である。ワンマン社長が牛耳る純ブラック企業の方が、こんな無駄なことが起こらない分、効率の観点で見たらまだマシかもしれない。もちろんブラック企業を肯定するわけでは決してない。しかし無駄に時間を浪費させて給料をせしめている連中がいるというのは、その皺寄せが必ずどこかに生じているはずであり、それがまさに形式だけ白いだけで実質的にはブラックな白いブラック企業の闇の温床になっていると言いたいのである。
働きたくない連中が無駄な共同体を作るもう一つの理由としては、多くの人間を集めることによって責任の所在を不明確にさせることである。程よく参加して、頃合いを見て離脱すれば変な役回りを押し付けられることもないし、そのよくわからない活動の事後処理をさせられることもない。逃げ遅れたら最悪で、どうしようもなくなった活動の後始末をさせられることになる。
その頃には「みんなで一緒にやりましょう!」と言っていた奴はとうに逃げおうせている。そういう輩は逃げ時だけは敏感に察するから、最後まで留まっているということは決してない。あまり良いことではないと思うが、今の時勢に合った生き方をしている連中と言えるかもしれない。まぁ、神様がいるならば死んだ後に怒られることは間違いない。生きているうちに世渡り上手な腐ったサラリーマン人生を謳歌してくださいとしか言いようがない。

ここに書いたようなことは普通の人間ならば、
おかしい!
あり得ない!
と思うことだろう。
だが、腐った組織ではこういったことが当たり前に行われているのである。
まともな人間からしたら嘘だろ?と思うようなことも起こっているのである。
だから、メンタルと壊す人間も出るのである。
なんでも完璧に、そして理想的にやり抜こうとすると無理が祟ることもある。
関わっちゃいけない連中を程よく見極めてちょうど良い距離を取ることや、こいつらとは無理と思ったら自分一人でなんとかしようなどとは思わない方がよい。
真面目な人ほど、逃げたらダメ、投げ出したらダメと耐えに耐えて潰れてしまうことが多いが、腐った組織では常識が通じないので、自分の心身の健康を第一に時に逃げることも考えた方がよいだろう。
あなたが一人でがんばっていても、腐った奴らはあなたに感謝もしないし、気にかけることもない。まともな人と仕事ができる機会が来るまでは、ほどほどにして心身の健康を第一に過ごすことをお勧めする。
ご安全に!

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