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まーたファイエルファイエル言ってますよ!!〜銀河英雄伝説 Die Neue These (13)感想

 12話まで書いていた感想は消した。いろいろ心揺れる少女漫画のような出来事があったからである。

 銀河英雄伝説Die Neue Theseを何年も見れていなかった。「スパイファミリー」と「鎌倉殿の13人」にハマりすぎたからである。また、円盤を集めようとして一巻を買ったら漫画より厚みがあったため、本棚に並べたら「銀河英雄伝説好きな人」みたいな感じになっちゃうなあと思った。YouTubeの無料公開で食いつなぎ、今回たまたま加入しているサブスクで見つけてガン見している。銀河英雄伝説やっぱたのしい(中毒者の顔)


キルヒアイスがこわいから……!!

 いろいろと大人の都合があって、高度に柔軟で臨機応変な戦略でもって帝国の奥深くまで侵攻し、いま帝国から猛反発を受けている同盟だが、アムリッツァ星系というところでこの度いっちょ会戦の機会を持ったらしい。
 帝国側のドン(20代だけどすでにドンでいいだろ)・ラインハルトは非常に若くて将来有望な主人公だというのに完全に悪役に染まりきっており、「同盟を焦土戦でジリ貧にさせ、二度と帝国に攻めてこれないくらい国力を落としちまえ」と、理解のある親友ことキルヒアイスでさえドン引きさせる悪魔のごとき作戦を立案する。
 とはいえ焦土戦っぽいグロい残酷な描写がないので、ラインハルトが不都合な真実として隠蔽している可能性がある。キルヒアイスがこわいから……!?
 
確かに同盟は物資を各惑星に補給しながら進軍した描写があったが、それ以上の残酷描写がないので、絶対ラインハルトがビデオを編集して隠蔽している。キルヒアイスがこわいから……!?
 
国家を滅ぼすレベルの焦土戦というのは何年間かかけて行われる非常に息の長いものなのだが、ラインハルトは超高速で終わらせた。キルヒアイスがこわいからなのか……!?
ずーっと続けていると、ラインハルトの背後にオカンみたいなもじゃもじゃ頭になって布団叩きとフライパンを持ったキルヒアイスとミッターマイヤーがいて、ケツをシバかれる可能性があるからだろう。
 ないしはオーベルシュタインが「衆愚政治に堕落した同盟のKUZU描写が欲しい。我らが焦土戦でどれだけグロいことしたかなど映すな」「帝国人民にアピールするために、お子様にも見せられる安心安全の焦土戦に見せかけろ」と圧をかけた可能性がある。

 ラインハルトがいかに鬼のようなことをしていたかは、人類史上最悪の焦土戦とされる独ソ戦についてちょっと調べて妄想を膨らますべきだろう。これを惑星レベルでやったこの金髪の小僧、生かしておいては必ず人類の仇となry

しゅわるつらんつぇんれいたー

 まーーーーーーーーーた帝国はパワーワードだしやがって!!!!!

「プロージット」(乾杯)
「ファイエル」(発射)
「シュワルツ・ランツェンレイター」(黒色槍騎兵艦隊)

この時点では強そうだった。

 みんな戦艦や戦闘機に乗っているのに槍騎兵とはこれいかに、と思ったが帝国の文化の都合であろう。だって同盟さんがインターホンとオーディオ機器とテレビその他がセットになったタブレット(しかも実体がない)を使っているというのに、こちとら半裸のゴ……リ……ラの像に敬礼する文化だもの
 司令官であるビッテンフェルトに副官が「シュワルツ・ランツェンレイターの歴史をここで閉じるわけにはいかない」と言っているので、わりかし長い歴史のある部隊なんだろう。きっとなんかこう、あったんだよ。槍とか騎兵に例えたくなる何かが……こう、なんかこう

 黒塗りのすごく強そうな艦隊なのに、秒でヤン・ウェンリーの圧倒的知力(※ちなみに今回のヤンさんはそんなにひらめきをみせているわけではない)を前に負けてしまった。どうしよう。
 指向性ゼッフル粒子放出装置(※帝国の文化の都合で新しそうなブツにはかっこいい名前はくれないらしい)を稼働して同盟軍をお掃除していたキルヒアイスがこき使われて一生懸命尻拭いをしている。どうしよう。

ビッテンフェルトのミスに無茶苦茶焦るキルヒアイス。ここら辺はなんだか二十一歳っぽい。

 パワハラインハルトさんが見逃すはずはない。どうしよう。マジでキレてる。
 すごい高い画力で非常に真面目にお約束の展開を描いている。どうしよう。

指向性ゼッフル粒子放出する装置

 13話ずーっとみてきたわけだけど、原作も含めて銀河英雄伝説はなんでツッコミどころネタに困らないのだろう。すげー元気になってきた。ちょっと前に非常に真面目な隙のない展開の小説を読んで頭が重くなり、息が苦しくなっていたのだけど、さらに重い展開のはずなのに銀英伝は頭と息を楽にしてくれる。でっかい気分にさせてくれる。
 確かにそっちの小説の方が展開としては面白い(言ったな)んだけど、銀英伝は、とくにDNTは疲れているときに服用すると元気になる。すごく元気になる。息が苦しくなったり頭が重くなったりしない。

ラインハルトさんがまたパワハラしてるぞーーーっ!!

 ビッテンフェルトが助けを求めてくるのにキレるラインハルト。

思わず派手な椅子から立ち上がっている。

 非常に素直にビッテンフェルトがミスの自己申告と救援信号を出しているのに、愉快な罵声で返されるこの職場はブラック職場……シュワルツ職場だと思う。次からミスが申告されなくなるぞ。

「私が魔法の壺でも持っていて、そこから艦隊が湧き出てくるとでも思っているのかーーっ!」

 相変わらず言い回しが愉快な御仁である。魔法の壺って何
 どう考えても小さい頃、お姉ちゃんかお母さんに寝物語に読んでもらった本に魔法の壺の出てくる話があったとしか思えない。

 もちろん戦闘が終わってもラインハルトはキレ続けているのだが、いい加減キルヒアイスが止めた。次のセリフは素直に「誰かに怒っているときは、そうなのかもしれないな」と思ったのでメモしておく。

「あなたのお怒りは、本当はあなた自身に向けられているのではありませんか? ビッテンフェルト提督は、そのとばっちりを受けているにすぎません」

 ラインハルトは、実はヤン・ウェンリーに逃げられたことが悔しかったらしい。この時、キルヒアイスにたしなめられて本心を暴露している表情が、今までラスボスヅラをしていたラインハルトにはありえないほどすごく可愛らしいので五回くらい繰り返して見た。

まだまだ二十一歳で未熟なところをキルヒアイスにしか見せられないのがなあ……

 悔しかったり自分に腹が立っていたりするとき、人間は軽率にミスした他者に怒りを向けがち、自己正当化しがちなのだなあ。ラインハルトは非常に人間くさい奴だった模様。うすうすわかってた
 でもその人間くさい精神的に脆い子を、絶対的君主か神の領域まで押し上げようと画策しているあたり、オーベルシュタイン先生も難しい道を選ばれましたなあ。
 EQの高いキルヒアイスや冷静なヤン提督のNo.2が不要だというのはわかる。彼らはラインハルトほど激しく感情が上下するということはないので、誰かにお世話されないでも生きていける。けれどラインハルトみたいに、カリスマ性は物凄いが誰かにメンタルケアされないとずっと自他を傷つけてばかりのガラスのハートを持つ人には、No.2がいないといけないんじゃないだろうか。
 でもオーベルシュタイン先生がラインハルトを東大に合格させたい絶対覇者にしたいっていうなら見届けようじゃないの……!

紅茶にブランデーをたっぷり

 ヤン提督、せっかくフレデリカがティーロワイヤルの常道(紅茶にブランデー少々)に提督を戻そうとしているのに、「紅茶にブランデーをたっぷり」と言い直した。ティーロワイヤルロワイヤルロワイヤルロワイヤル路線は絶対崩したくないらしい。
 ラインハルトがキルヒアイスに「俺は銀河を手に入れるに値すると思うか?」と聞くことが「ありがとう」「迷惑かけてごめんね」「俺は大丈夫」「不安」「悲しい」「つらい」「頑張る」という様々な「言葉」をはらんでいるのと同じく、フレデリカがヤンさんに紅茶をいれるという行為は「大丈夫ですか?」「無理しないでね」など、さまざまな「言葉」をはらんでいるみたいで、ほっこりした。
 でもティーロワイヤルロワイヤルロワイヤルロワイヤル路線は絶対崩したくないらしい。そこ崩してくれ、アル中になっちゃう

 


うそだろおおおお!!!

……皇帝死んだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!! うそだろ!! 上司にしたい人No.1んんん!!!

まとめ

・とりあえずヤンさんが全力で逃げていた回
・黒色騎槍兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)とかいうかっこいい出てたけど秒で負けた

・最高にキレて可愛らしくなっているラインハルトが観れる稀有な回
・”指向性ゼッフル粒子放出装置”(悪の機関が使っている怪しげな装置の響き)
・皇帝死んじゃったよおおおおおおお!!!(涙)

今日の癒しは、泣いちゃうビッテンフェルトと彼を慰めるローエングラム元帥府のみなさん。

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