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2012年13月1日:いくつもの暦と生きる人たち

日本で使っているグレゴリウス暦では2020年9月6日だけど、エチオピア暦においては今日は2012年13月(Pagume)1日。そろそろ皆さん新年に向けてマスカルフラワーの飾りつけなどを始める頃だろう。

※エチオピア暦の話は去年のこちらから↓

13月だなぁと思うとなんだかそわそわしてしまうエチオピア隊員(OB・OG含む)は私だけではないと思う。

うるう年は去年だったので今年の13月は5日まで。


13月まであるのが珍しいということはエチオピアの人々も認識していて、以前のエチオピアの観光スローガンは「13カ月の陽光 (13 Months of Sunshine)」だった。響きがいい。そんなSunshineってほど晴れている気はしないけど。
ちなみに今は「起源の地 (The Land of Origins)」である。


エチオピアの人たちは必要に応じて、彼らのカレンダーとグレゴリウス暦のカレンダーをつき合わせながら生活している。結構ややこしい。私もアポ取りしながら何度「በ International Calendar?(グレゴリウス暦で?)」と聞いたことか。

滞在中、さらにややこしくなりそうな人がいることに気づいた。ムスリムの皆さんだ。確か、ヒジュラ暦(イスラム暦)を使っているんじゃなかったか?

今エチオピアではエチオピア正教を信じる人が最も多いとされているけど、ムスリムはそれに次ぐ勢力を誇る。むしろ、前回この調査が国勢調査でされたのは2007年なのだけど、2017年にされるべきだった国勢調査が遅れに遅れているのはこの勢力図が逆転してしまうからでは、という噂があったくらいだ。

話を戻して。
ムスリムも多い当時の職場で聞いてみた。
ーエチオピア暦もグレゴリウス暦もあるけど、ムスリムの人たちはまた違う暦使うの?
「使うよ。信仰の仕方によって同じムスリムでも祝う日が違ったりもする。あと南部のある民族はまた別の暦をもってたりするよ。マスカル(新年)あたりは色んな民族の人が別々に新年を祝うし…。」

…なんだか想像以上の答えが返ってきた。
これが多民族国家である。


2013年まであと5日。

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