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オンライン英語で学べるのは、英語だけではないようだ

私は今、協力隊として派遣されていたエチオピアから一時帰国をし、再派遣を待つ身である。

待機している隊員には、JICAから語学のオンラインレッスンが提供される。再派遣されるまで、コミュニケーション言語を忘れてしまわないように。
アラビア語・タイ語・スワヒリ語・ラオ語…などなど、隊員の活動言語には日本にいたら滅多に使用機会がないようなものが多いので、とてもありがたいフォローアップ。エチオピアのメイン言語、アムハラ語はないんですけど(なぜ)。

私の活動言語は英語ということになっているので、英語のオンラインレッスンを受けている。


1回25分。Zoomを使ったマンツーマン。内容はレッスンの提供元が用意する教材から選んでリスニングをしたり、シチュエーションごとの会話を練習したり、派遣前訓練で配られたテキストを使用したりと、思っていたよりも幅広く対応されている。
私はTopic Talk & Discussionというのをひたすらやっている。

Topic Talk & Discussionでは議題を1つ選んで、それについて自由に話す。最近選んだトピックはLanguage, Responsibility, Getting Job, Natural Disasters...選ぶ基準は「私に話したいことがあるか」。

例えばResponsibility(責任)を選んだときは、こう口火を切った。
ー任国で『これやりませんか』って提案すると、『それは自分の仕事じゃない』と返ってくることがある。一方日本で、水道局の人は『絶対に水道は止められない』 っていうし、渋谷駅の改修工事に携わる人も『絶対電車は止められない』っていう。この責任感ってどこから来るんだろう…?

責任感よりも使命感に近いかもしれないが、今でもなんでかなぁと考えているトピックである。
任国では給料が安すぎたり、成果を上げても待遇改善につながらないからかな…と私が言えば、日本の外にルーツを持つ先生が「日本では小さいころから責任感についてしっかり教えてるよね」などと返してくれる。
…そうか、道徳はどこにでもあるカリキュラムとは限らないもんな。

こんな感じに先生の相槌が、私と違う視点からいろんなことを教えてくれるので楽しい。他にも。

ー英語は、エチオピアではGrade 4(日本の小学4年生)くらいから授業言語になってるんだけど…
とケニアにルーツを持つ先生に話したら「え~遅すぎるよ~‼」と間髪入れずに返ってきた。同じアフリカで、仕事のために国際公用語が必須の人にとっては感じるものがあったのだろう。なお話している私は、英語を「外国語」として習う国において中学1年生からが必修だった世代のものです。


こうして書いてみると雑談のようだけど、レッスンなのでちゃんと言い間違いはチャットボックス使って直してくれるし、聞きなれない単語も教えてもらえる。先生から関連質問を投げ掛けてもらうことも多い。

すごーくありがたい。

雑談ならネイティブの友達とすればいい、と思われるかもしれない。
でも雑談、イギリスにいた頃たくさんしたけど、誰も英語を直してくれないのだ。
ある程度の歳の皆さんは、こちらが多少たどたどしくても必要な単語さえ出せば意図を汲んでくれるし、なんなら終わりを待たずに引き受けて続きを話してくれてしまう。間違いなんていちいち誰も指摘しない。
まぁ、日常生活で直されるとへこむか…。

コミュニケーションが取れればいいと言えばいいのだが、できたら正確さも上げたいな…と思っている自分には「そこそこ話せる状態でのレッスン」が必要であったらしい。


3週間ほどレッスンを受けて見えてきた課題は、語彙がすぐ出てこないこと。あの、普段使わないものどこだっけ~‼と箪笥をひっかきまわしている感じが毎回ある。この間なんかはregistrationが出てこなくて、(なんだっけあの、re~ってやつ。とにかくreとかraって音の…)とバタバタした。毎度レッスンが終わると思い出す。

なるべく事前準備で使いそうな単語を出しておくのだけれど、議論は毎回あっちこっちに飛ぶので漏れが多い。レッスンを通じて頭の引き出しの奥からこういう単語たちを呼び戻して、新しい語彙と一緒に見つけやすいところに置く作業をしたいな。

エチオピアの人に限らず、色んなルーツをもつ英語話者(English speakers)さんの目を通した世界に触れたい。

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