5/26 『MANICAL』な休日

教え子?の芝居を観に早稲田へ。昼は「ワセメシ」でも食うかぁ!と思っていたが、家でダラダラしていることを選んだ。芝居を観たら村上春樹ライブラリーに行ってみるかぁ!とも思っていたが、家でダラダラすることを選んだ。持つべきものは体力、気合い、元気がなければ何もできないのである。

観たのは、劇団くるめるシアター『MANICAL』。「魔法使い」の世界に迷い込んだ「人間」の少年と「魔法使い」の少女の物語なのだが、この「魔法」というのが、鏡の世界に入るといった多少不思議なことはあるものの、ほかは舞台照明を操作する(物語的には魔法の光なのだが)(音響効果も付随する)くらいで、それほど役に立たない。舞台で魔法を表現する困難はあるだろうが、起きる問題もよくある人間関係トラブルで、「魔法使い」の世界とは、魔法が魔法のようには物事を解決しない世界なのだなぁと目を開かされていると、実は「人間」にも魔力があって、しかし使えないだけなのだ、といった話になる。そして結局、人間の人間らしい力――信頼と道徳と勇気と知恵(魔法の契約書の宛名を書き換える!)によって問題は解決される(治癒魔法も役には立つが、それは、少年が物語の序盤では志していた医学によって代替可能なものだろう)。魔法の世界での、魔法の役立たなさ――そして、どのような世界でも通用する力(ここまで書いて、序盤、「魔法使い」の少年が、「人間」の少年との会話をとおして、「人間」の世界でも求められる力は同じなんだなぁなどと言いながら客席に営業的?笑顔を見せるシーンを思い出した!)。魔法によって困難が解決されてしまっては物語が成立しないという事情はあれど、結局は人間ドラマなのであった……と、ここまで書いて、パンフレットにあった「主宰挨拶」を読み返し、私がここまで考えて書いてきたことがまさしく書かれていることに気づく。掌の上だったかぁ。こういう、人間の「力」の明るさを見せられて、キャラクターも魅力的で、特に教え子?の役作りは素晴らしく(教員バカ)、客席で他の卒業生たちにも出会って楽しい話を聞け……「MANICAL」って何だろうと、演劇の掌の上で悩みつつ、しかし、こういう休日はきっと「MANICAL」だろうと思う休日であった。

多少元気になったけど、村上春樹ライブラリーには行かず。

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