7/21 『若い人のための10冊の本』、結果としてのブックリスト

小林康夫『若い人のための10冊の本』を読み始めた。ちくまプリマー新書だから、「若い人」とは二十歳前後、十代後半の人を指しているのだろう。仕事に役立つかもしれないと手にとってみたのだが、こういう「ブックリストもの」? には珍しい本ばかり選ばれていて、興味深く、さっそく買ってしまった。

すると、前書きにこのようなことが書いてある。

最初に一〇冊の本のリストをつくることをしてはならない、ということ。本を決めてから書くのではなく、どんな本をとりあげるのかを決めずに、完全に白紙の状態で書きはじめなければならないということ。

要するにこの本は、「ブックリストもの」のようなタイトルでありながら、つまりはブックリストありきの本のようでありながら、そうではない仕方で書かれているとのことらしい。珍しい本ばかり選ばれていると先に書いたが、つまりは、普通に選ばれたというのとは別の仕方で、文章が書き始められ、結果的に一〇冊の書名が章題になっているといったところか、と合点がいく。

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