20230505 留学生

留学生が来ていて、先日、自国を代表する作家を聞いた。ドイツから来た生徒はゲーテと答え、スペインから来た生徒はセルバンテスと答え、どちらも誰もが認める世界文学、大変な大物である。しかし、日本の高校生たちは、「日本を代表する作家」を聞かれたとき、誰の名を挙げるのだろうか。留学生は英訳された三島由紀夫の短編集を読み、日本文学といえば村上春樹と言っていたが……単純に気になるところだ。

ふと、留学生に留学の思い出に日本の文庫でも贈ろうかと思い立ち、色々と考えた結果、谷川俊太郎『二十億光年の孤独』が、英訳もついていてちょうど良いのではないかと思った――「外国語を勉強する最大の目的はその言語で詩を読むことだ」というスピヴァクの言葉があるらしい(情報源)のだが、そんな言葉も脳路をよぎり。「二十億光年の孤独」の「ネリリし キルルし ハララし」は、「neririing or kiruruing or hararaing」と斜体で訳されているが、無論、これを読んだだけでは、それらが「眠り起きそして働き」をもじった表現であることは、わからない。

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