見出し画像

ウォーハンマーAoSスタートガイドからはじめるミニチュアペイント(前編:ペイントのおさらい)

あおいです!
皆様は『ゲッティング・スターテッド・ウィズ・ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマー』は購入されましたか?(名前長い!)

スタートガイド

これはウォーハンマーAoS第3版のスタートガイドで、世界観や製品、ペイントについて簡潔にまとめた書籍とミニチュア2体がセットになっています。

ヴィンディケーター

今回はこのスタートガイドにも付属している「ヴィンディクター」を使ってペイントの流れを紹介していきます!

後編ではスタートガイドの簡単なレビュー&ペイントガチ初心者がペイントにチャレンジ!

ウォーハンマーAoSスタートガイドからはじめるミニチュアペイント(後編:レビュー&塗ってみた)

簡単だけどそれらしく見えるペイントパターンで塗ってみよう!

塗り始める前に、多くの方が最初につまづくであろう「明暗の付け方」をパターン化してみましょう。
このパターンは普通のカラーだけでなく、メタリックカラーにも適用することができます。

ビフォーアフター

上図の左側はベタ塗り+エッジハイライト(面やパーツのふちに沿って明るい色を塗る)です。
これはごく一般的な塗り方で、アニメっぽさはありますが簡単にカッコよくなります。
しかし!
今回はもう少し多層のペイントに挑戦してみましょう。
これから紹介するパターンに沿って塗ることで”それらしい”ペイントができます!

明暗の付け方 ①ふちパターン

ふちパターン

これはエッジハイライトに近く、丁寧にやれば簡単にできるパターンです。
エッジハイライトと同様、面やパーツのふちが明るくなります。
内陸部に影を落とすことで明暗の差が強調され、ドラマチックな仕上がりになります。


明暗の付け方 ②線パターン

線パターン

これは強い光沢を表現するのに向いています。
NMM(ノンメタリックメタル、メタリックカラーを使わない金属的表現)も最低限これができれば塗れます。
簡単なパターンなため、細い装飾品などにもオススメです。


明暗の付け方 ③角パターン

角パターン

ある角が明るくなるようなグラデーションをかけるパターンです。
複雑な面で構成されている立体(今回のモデルでいうと頭部とか脛周り)に対して丁寧に一面ずつ施すことでゴージャスな仕上がりになります。

明暗の付け方 複合パターンで超絶カッコいい

複合

パターンはそれぞれ複合的に適用することが可能で、上手く組み合わせることで図のようによりリアルでカッコいい仕上がりに!
段階的に色を乗せていき、なめらかなグラデーションになるよう丁寧にペイントするのがコツです。


ペイントに必要なもの

パーツを切り出して、切り出し痕やパーティングライン(パーツに入った成形上できる筋)を綺麗に取り除きましょう。
塗料、筆、パレット、水入れさえあればペイントは可能ですが、更にあると便利なものをいくつか紹介します。

サーフェイサー

画像6

塗装の下地に塗るもので、色を一旦均一にするほか、パーツ表面の小傷を埋めたり、塗料の定着を良くする効果がある塗料です。
これを事前にパーツに対して塗っておきましょう。

ヴィンディケーター02

私は隅々までサーフェイサーを塗りたいのでなるべくバラバラの状態で吹きつけます。

下地なしでもペイントはできますが、ほぼ必須と考えたほうがいいでしょう。
缶スプレータイプのものもあれば、瓶入りのエアブラシタイプもあります。どちらも効果は変わらないので好きなものを使いましょう。


今回は瓶入りの黒いサーフェイサーを吹いて下地を作りました。


ウェットパレット

薄型のタッパーを用意し、底面にPVA素材のシートを敷いて水を注ぎます。
そして水を含んだPVAシートにクッキングシートを敷くことでウェットパレットになります。
これは塗料の乾燥を防ぐアイテムで、ペイントを一旦中断するときも出した塗料をそのまま保存できます。
作るのが面倒な場合は各社から同様のものが販売されているのでそちらを使うのも手でしょう。
※長期間使うと水が傷んで臭ってくるので定期的に洗いましょう※


各種メディウム

塗料に混ぜて使う添加剤等の総称で、塗料の特性を変化させることができます。
例えばリターダーを混ぜれば塗料の乾燥が遅くなり、マットメディウムを混ぜればやや半透明でつや消しの塗料になります。
この記事ではリターダーとマットメディウムを使用します。


各種トップコート、バーニッシュ

ペイント後に上塗りすることで光沢の有無をコントロールしたり、塗膜を保護することができます。
トップコートはラッカーのものをオススメします。
バーニッシュは水性のものが多く筆塗りも可能で、例えば全体につや消しのラッカートップコートを吹き、光沢がほしい部位に光沢のバーニッシュを筆で塗るといったこともできます。


塗料の選び方

対象のミニチュアが小さいので、基本的には筆塗りでペイントしていくことになります。
よって、水性エマルジョンのものが使いやすくオススメとなります。
水性エマルジョン塗料は色々なメーカーから販売されていて、膨大な色数があるのでその中から好きなものを選んで使うのがいいでしょう。
この記事では使用塗料も紹介していくので悩んだら同じものを買ってみてください。

【重要】
個人で楽しむペイントにおいて好きなメーカーのカラーを使っていいのは勿論なのだが、もしメーカー主催のコンテスト等に出るならレギュレーションに沿った塗料を使用しよう。
そのメーカーの塗料のみ使える場合もあれば、ワンポイントでも入っていればよいという場合もある。しっかり確認しておこう!


ペイントの流れ

早速ヴィンディクターをペイントしていきます!
今回使用した塗料は以下のものになります。

この記事をなぞってペイントするにあたって、必ずしも紹介した塗料を使用する必要はない。
好きな塗料や手に入りやすい塗料に置き換えてペイントしてみよう!

カラー

メタリック系
ホルベインアクリリックガッシュ
・ゴールド
・メタリックホワイト
ターナーアクリルガッシュ
・赤金
デコアート
・24kゴールド

非メタリック系
ホルベインアクリリックガッシュ
・ランプブラック
・チタニウムホワイト
・ネイビーブルー
・ホリゾンブルー
・バーントシェンナ
・セピア
・アッシュローズ
・クリムソン

メディウム
ターナーアクリルガッシュ
・リターダー
リキテックス
・マットメディウム

金色部分のペイント

ペイント01

まずはざっくり濃い金色を塗ります。
今回は赤金を使いましたが、ファレホのブラス辺りもオススメです。
シタデルならリトリビューターアーマーがそのまま設定色といえますのでそちらもいいでしょう。
なるべく下地が透けないように塗りましょう。
スプレーで塗ってもOKです。
上塗りするのでクレオスのゴールド等もコスパの面でよいです。

筆にリターダー

乾いた筆に直接塗料を付けると筆が傷み、筆に水分を吸われて塗料がパサパサになりがちなので、まずは筆先を水かリターダーに少しつけてから塗るようにしましょう。私はリターダーを含ませることが多いです。

ペイント02

マットメディウムと水で希釈して半透明にした塗料を上塗りしていきます。
マットメディウムを混ぜることで粘度が低くなり過ぎず、作業性が上がります。

このように薄めて半透明になった塗料を上塗りすることで下の金色を活かしつつ、奥まった部分に影色を入れることができます。
今回はバーントシェンナとセピアを混ぜたものを希釈して使用しましたが、専用の上塗り用塗料も多く販売されているのでそちらもオススメです。
希釈具合をある程度濃い目にして溝等のみに塗る方法もありますが、今回はかなり薄く希釈して、全体に塗布しました。

ペイント03

②の工程で影色がなんとなく塗れたので続いてハイライトを入れていきます。
赤金にゴールドを少しずつ混ぜながら徐々に明るくなるように塗ります。
例えばこの胸板であれば、左角に向かって明るくなるように、少しずつ明るい色を混ぜては少し塗り、また混ぜては少し塗りを繰り返します。
一番明るいところにはメタリックホワイト(明るい銀色)も混ぜて更に明るくすることでメリハリが効きカッコよく仕上がります。

銀色部分のペイント

ペイント04

まずは銀色をなるべく均一に塗ります。
今回はメタリックホワイトを使用しました。

ペイント05

金色部分に影色を入れたのと同じように、黒を薄めて塗布します。
写真のようなパーツにオススメなのが、面の中央に影色を強く残す方法です。
やり方は簡単で、筆先で面の中心にちょこんと薄めた黒を乗せるだけです。
こうすることで、先述した「ふちパターン」を簡易的に行うことができます。

青色部分と白い紋章のペイント

ペイント09

続いて肩アーマーの青を塗ってみましょう。
濃い青(今回はネイビーブルー)を青色にした部分全体に塗布します。
写真のようにムラが出る場合は一旦乾かしてからまた塗り重ねましょう。

ペイント10

そして明るい青(ホリゾンブルー)を混ぜながらふちに向かって明るくなるよう塗り重ねていきます。
ドット状のハイライトも入れてみました。こちらも何層か塗ってなるべくなめらかにしましょう。

ペイント11

紋章状の装飾は絵画的に塗ることで素晴らしい仕上がりになりますが、それが難しい場合には出っ張っている部分が明るくなるように塗るだけでもカッコよく仕上がります。

赤色部分(武器の持ち手)のペイント

ペイント12

今回はアッシュローズを塗りました。ここで使う薄い桃色は彩度が高過ぎないものがオススメです。

ペイント13

マットメディウムと水で薄めた濃い赤(クリムソン)を塗ることで溝に濃い色が乗り、複雑な編み込みのペイントが簡単に完了しました。
今回はやや紫に寄った赤を使用しましたが、赤は橙色寄りのものもあるので好みでチョイスするとよりオリジナリティのある作品に仕上がります。

細かな部分も忘れずに塗ろう

ペイント06

ベルトなどの装飾品も忘れずに塗っておきましょう。

ペイント08

黒いベルトや関節部はランプブラックをベースに、チタニウムホワイトを少しずつ混ぜて簡単なグラデーション表現をしました。

ペイント07

金色部分に光沢のバーニッシュなどを塗るとメタリック感が強調されてカッコよくなります。
今回は24kゴールドを上塗りしました。この塗料は隠ぺい力があまりなく光沢感が強い明るめの金色で、光沢の付与と全体のトーンアップを兼ねて塗ってみました。

ペイント14

この記事内で紹介した手法を組み合わせれば、こんな豪華でカッコいい盾も簡単に塗ることができます。
最初は上手くいかないかもしれませんが、少しずつ丁寧に回数を重ねていくと上手に塗れるようになるでしょう。


ペイント完了!
ヴィンディクター!

ペイント15

リベレイター、シークイターに続く看板モデルになれるか!?
ヴィンディクターをペイント!

ペイント17

ゲームでは歩兵の1体でしかないモデルかもしれませんが、ペイントされていると存在感がすごいです。


次回の記事では以前の記事にも登場した”ノンペインター”のすももが、この記事を参考にしてヴィンディクターのペイントに挑戦します。
お楽しみに!


「そうは言ってもペイントは難しいよ!」
ならば、ペイント代行がオススメ!

画像28

あなたのミニチュアをペイントします!ペイント代行サービスのご案内
自慢のコレクションに彩りを加えよう!
ペイント代行について気になった方は上記リンクから詳細をチェック!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?