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【思い出野郎Aチーム at Billboard Live OSAKA】(2022/7/21 Billboard Live 大阪/2nd Set)

記憶も朧げだけど今さら少しだけ書く、去年のライブの感想シリーズ。
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 思い出野郎Aチーム、初めてのビルボード。ビルボードということは、2nd setの開始が遅め、つまり、多少残業してもダンスに間に合う…!
  
 この日もメンバー7人に加えて、サポートに、ベースにNorio Fukaishiさん、キーボードに沼澤成毅さん、トランペットはファンファンさん、コーラスはYAYA子さん。そして思い出野郎のライブには欠かすことができなくなった手話通訳は、サッチーこと鈴木幸代さんと、ねーさんこと水野里香さん。計13人の大所帯編成の演奏は迫力がある(何より、手話通訳のグルーヴが侮れない)。

 今回、自分の席はホーン隊のほぼ正面だったので、マコイチさんも含めた4管のボリュームを感じられたのは勿論良かったし、各々のソロが目立つ曲をかぶり付きで観れたのが嬉しかった。
 例えば、[無許可のパーティー]の山入端さんのトロンボーンソロ。素人感想で申し訳ないのだけれど、「めっちゃ鳴るな~!すごい~」という感じ。音源よりもライブの方が、しかも目の前で観ると完全にボーンの世界に持って行かれる。
 続く[フラットなフロア]は、とにかくマコイチさんのトランペットソロ。音圧にまず驚くのと、フレーズが綺麗で聴き惚れてしまう。ジャジーという言葉は大枠過ぎる気がして使いたくないけど、とにかく、綺麗に黒いフレーズと言えば良いのだろうか。
 それからペットで言うと、[繋がったミュージック]のファンファンさんのソロ。マコイチさんと全然違うタイプのファンファンさんがサポートなのが本当に良いな、と今の編成を観ていて思うのだけれど、この曲のソロ部分を聴くとホッとする。真っすぐでどっしりと安定していて優しい音だなと思う。
 そして[週末はソウルバンド]の増田さんのバリサクソロ。増田さんの音も音源よりも迫力があってファンキー。時々持ち替えで吹いているアルトも含めて、目立つ場面がもっと多くても良いのに!と勝手に思ってしまう…。
 
 後半では、今まで感じたことのない涼し気な風が吹いてきた瞬間も。9曲目の[サマーカセット]はサポートのYAYA子さんがメインボーカルを取る特別版だった。元々少し切ない曲だけど、このYAYA子さんボーカル版を観て、思い出野郎にはこんな色、こんな一面もあるのか!と驚いた。YAYA子さんのボーカルと山入端さんのコーラスというのも他の曲では無い組み合わせなので、とても新鮮に聴こえた。

 あと印象に残っているのは、アンコールでメンバーがステージに戻ってきた直後に客席から「[アホな友達]やって!」という声が挙がり、「予定に無かったけどやるか!」と演奏してくれたこと。本当はその後の[ダンスに間に合う]と[僕らのソウルミュージック]の2曲だけの予定だったらしい。何より[アホな友達]は去年の新木場コーストでの【SOUL PICNIC 2021】でオーディエンス含めて皆で手話コーラスをやっていたのが羨ましかったから、今回は客席でやれて嬉しかった。

 思い出野郎の音楽はいつも優しくて、(例え映像であっても)ライブを観ると泣いてしまうのだが、今回も2曲目の[独りの夜は]の時点で涙が止まらなくなってしまった。一聴するとソリッドな[それはかつてあって]や続く[無許可のパーティー]も、根底はとても優しい。このライブを観た翌日、私は「何故そう思うかは分からないが、思い出野郎ってファンクというよりやっぱりソウルバンドだと感じた」というような事をメモしていた。今思うと、楽しく生きていきたいけどそれだけではやっていけない気持ちを音にして歌って伝えて、そしてその場の皆で共有していく、という事なのかもしれない。音源も良いけど、生で観てこそのバンドだな、と思ったので、また次の機会を楽しみにしたい。