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20210828

大学の先輩と一緒に上野へ遊びに行った。
一番の目的は東京都美術館で開かれているイサムノグチの展示。会期の前から行きたがってたのに結局会期の終わる前日に行くことになってしまいまして、要は行くのがとても楽しみだった。

上野駅で待ち合わせして、まずはそのイサムノグチの展示を観に行った。
大きな部屋の中に作品がちりばめられて置かれていて、観客はその周りを自由に観てまわれた。浮遊感と緊張感にあふれた作品が多くて、実物を観られて本当に良かったと思った。スケール感とか微妙な仕上げの違い、素材感など、写真では絶対に伝わりきらない魅力があると思う。
あと、神秘的・抽象的な作品しかないと思っていたら(発見の道、宇宙のしみ、ねじれた柱など)具体的なモチーフでかわいらしい作品(モンローヒップス、お地蔵さん、舌、柿など!)もあって意外だった。どちらの作品に対しても、イサムがモチーフをどんなふうに捉えていたのか想像しながら鑑賞するのが楽しい。
川とかで拾った小さ目の石をイサムみたいに削って部屋に置いてみたいと思ったりした。

展示室を出たらWall&Bridgesという別の企画展をやっていて、展示室の空間が良さそうだったことと、学生は無料で入れるということでそれも観ることにした。
五人いた作家さんの名前はどれも聞いたことが無かったけれど、どの作品もまっすぐな感じが良いなと思った。
そしてやはり空間が良くて、三層吹抜けの大空間はヴォールト天井と格好いい照明が印象的だった。
今まで知らなかったのだけど都美術館は前川國男の設計らしく、空間の構成から仕上げとかプランターなどの詳細までが豊かで素晴らしいなと思った。(もしかしたらこれは前川國男の設計ではないかもしれないけど、エスカレーターの天井部分なんかが特に印象に残っている)

昼はギャランでナポリタンとアイスコーヒーを食べて(先輩にご馳走になった。ごちそうさまでした。)旧岩崎邸庭園の中の建築資料館で丹下健三の展示を観に行った。手描き図面がたくさんあって、文章や映像もしっかり見ていたらかなりボリュームがあって良かった。僕は丹下の建築に対して 明確なゾーニングや力強い表現から成るモダニズム精神の権化であり、ゆえにポストモダンの社会である現在では乗り越えられるべき対象 みたいな認識を過去にしていたのだけど、最近は共産主義に興味があるためコルビュジエの建築などと共によく見直したいと思っていた。展示資料ではゾーニングに込められた意図も説明されていて面白かった。模型も綺麗で見ごたえがあった。
プロポーションが美しいって最強なんじゃないかな

旧岩崎邸の内部も見学したのだけど、洋館から和館への移り変わりが唐突すぎてめちゃくちゃ印象に残っている。

丹下健三が前川國男の弟子ということもあって、都美術館で空間を体験できたことがタイムリーでなんだか嬉しかった。
なので全体をまとめると「イサムノグチ・前川國男・丹下健三の日」でした。いい日だった。


最後の投稿からかなり経ってしまっているけど、そのときに感じた忘れたくないことは忘れないようにできるだけ文章にしてここに置いていきたい。のでこれからもたまにこうして書きます。


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