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ショートショート

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記事一覧

ショートショート「抱腹」

※若干不愉快な描写があります。  君の身体を開いたら、腐った肉がギッシリと詰まっているん…

春野 治
8日前
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ショートショート「痣」

 ふと腕を見ると、身に覚えのない痣ができていた。  幸い、そこまで痛むこともない。薄茶色…

春野 治
4週間前
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ショートショート「俺と私」

※自殺未遂の表現があります  身体に悪いもの程心には良い。常々そう思う。  ゴテゴテとし…

春野 治
1か月前
3

ショートショート「疑念」

 【はしがき】    私は、一介の文筆家になりたかったのかもしれません。すべてを書き終えて…

春野 治
1か月前
13

ショートショート「業腹」

 お前の身体を開いたら、空っぽなんだろう。なぜならお前が考える脳みそを持ちえていないから…

春野 治
1か月前
8

ショートショート「物語の国」

 そこは、物語の国だった。    物語の国という名前がゆえに、余所者が出歩ける範囲はやはり…

春野 治
1か月前
7

ショートショート「猫が死んだ」

 飼い猫が死んだ。  今年で8歳になる白ベースにぶち柄の猫。妻の花臣が死んだ年から飼い始めた、名前は『奏』。  なんとなく名付けたつもりだったが、よくよく思い出せばこの世に生まれてくるはずだった娘の名前と同じであることに後から気付いた。  いつから自分はそんなにも愛情深い人間になったのだろうか。あんなにも従兄弟達の悪行に加担しているというのに、これじゃあまるで娘が産まれてくることを大層楽しみにしていたみたいだ。実際、生まれてきて欲しいとは強く思っていた。でもそれは親や親戚達に

ショートショート「死語保管庫 東店」

 『死語保管庫 東店』という看板に、足を止める。    店名の堂々とした明朝体と、その下に…

春野 治
2か月前
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ショートショート「言葉が見える街」

 そこは、話した言葉が見える町だった。    見えるというのは、物体として質量を持ち、そこ…

春野 治
3か月前
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