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こころのバリアフリーを初めて肌で感じた。|参加者のこえ。

高校1年生の夏、たった一人でカンボジアへと向かった。
“おもしろそう”直感で感じて挑戦したボランティア留学。

15歳、3週間の大冒険。

そこで私には夢ができた。
発展途上国に住んでいる障がいのある子どもたちを、医療面からサポートしたい。

それから3年が経ち、私は医学生になっていた。着実に夢には近づいていた。それでも、心の中にはずっともやもやしたものがあった。

どんな障がいのある子どもたちをどんな風にサポートするの?
どこからアプローチしていくの?

自分の夢は具体的だけれど、その分遠いもののように感じていた。

そこで、そうして多方面にアンテナを張っていた時に出会ったのがAOiだった。

第一印象は“楽しそう!”
自分の直感が働いた気がして、見つけたその手ですぐにコンタクトをとった。

ユニバ企画の締め切りはとっくに過ぎていたが、運営の方のご厚意で参加させていただけることになった。

とうとう当日。
初めての人たち、初めての介助。雨の日の介助はどうするのだろう。
両手を開けるためにレインコートを買っておこうか。

当事者の方たちとはどう接したら失礼がないのだろうか。
何を話そうか。はじめましての人たちとユニバに来て楽しめるのだろうか。

強めの雨が私の不安を加速させた。

しかし当日、雨がだんだんと止んでいったように気が付けば不安なんか吹き飛んで心の底から楽しんでいた。

ジュラシックパークで最前列になってびしょぬれになったり、バタービールで乾杯したり。音楽に合わせて踊ったり、たくさん写真を撮ったり。
ハリーポッターの世界に飛び込んだり。

数えきれないほどたくさんの楽しい瞬間があった。

はじける笑顔♪

障がい当事者と医療従事者が出かけると聞くと、どうしても“支援”という言葉が思いつく。

実際、参加する直前まで私の心の奥底にはそのような思いがあったかもしれない。

でも、私がAOiで感じたのは間違いなく”協力“だった。

してあげる-してもらうの関係ではなく、友達だから助ける。
それくらい当たり前に健常者と障がい当事者がフラットに関わりあう世界。
それがとても温かくて心地よかったし、社会もこうあるべきなのだとすっと心の中に入ってきた。

こころのバリアフリーを初めて肌で実感した。

よく言われることだけれど「障害」は人ではなく社会の方にあるのだと、強く感じた。

小さな道路の装飾・くねくねの待ち列・混みこみのハリーポッターのロッカーエリア・車いすユーザーの方々といったからこそ得た、たくさんの気づき。ユニバを全く違う視点から見ることができた。

そして何よりもこの旅を通して感じたもの、それはパワーだ。

障がい当事者の方々は、私の想像では補えないほどの辛さ、苦しさを抱えながら強く前向きに生きてこられた方ばかり。一見、柔らかい印象の方や面白い印象の方でも言葉を重ねるうちにその芯の強さが伝わってきた。

1日が終わった頃には、疲れたはずなのにエネルギーがあふれたような感じで背中をドスンと押された気分だった。

友達づくりが一番のバリアフリー。

AOiには夢が目標へと近づくための足掛かりとたくさんの素敵な出会いを頂いただいた。

これからもAOiを通して社会のあるべき姿、自分の将来像を考えていきたい。

◎執筆 吉田もえ さん|医学生

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