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6歳になったキミへ

長男が6歳になった。

「来年からは小学生だし、節目の年!盛大にお祝いしたい!」ということで
(といっても、3歳のときも5歳のときもまた、節目として盛大に祝った)

「お誕生日は保育園おやすみして、ディズニーランドでもいく?!
 なんならお母さんと二人だけでお泊りでもいいよ♡」

と(おそらく誰よりも)わくわくしていたのだが、

「ん~普通に保育園いく」とツレない長男。

ちぇっと思いつつも、
ちょうどお誕生日当日に保育園のお誕生日会があるということで
「ぜひ見にいらしてくださいね~」とお招きいただいて

私も保育園のお誕生日会に参加することにした。

先生とのやりとりを見ていた長男は
「え~~本当にくるの~?!ちょっといやなんだけど・・・」と渋った。

日頃から「相手が嫌がることは絶対にしてはいけない」というのが
我が家のルール。

長男がいやだという以上、無理に行くことはできない。
ここは親としての信用にもつながる。

「お母さん、長男が大きくなったところ、
 みんなにお祝いしてもらっているところを絶対見たいんだよ~」

とあの手この手で頼み込み、
ようやく『写真や動画はNG』という条件つきでOKをもらった。

芸能人あるいは要人のような厳重な対応である。

長男が通う保育園では
さくらんぼ組→いちご組→みかん組→りんご組→ぶどう組→すいか組と
だんだんに大きくなる。

小さな小さなさくらんぼさんとして、きゃーきゃー言われていた長男が
すいかさんとして、みんなをまとめる側になったのだ。

すいかさんには役割が結構あり

・人数報告(各クラスの人数を聞いて回り、園長先生に報告する)
・メニューと「いただきます」の放送
・お昼寝とんとん(お昼寝で眠れない子にとんとんしてあげる)

など園全体のお仕事もあるので、
みんなどこかすいかさんに憧れをもっている。

長男もぶどうさんからすいかさんに進級するときには
弟たちでお昼寝とんとんの練習をしていた。

そんなお兄さんなすいかさんに、いつの間にか長男もなっていた。

お誕生日会がはじまり、お誕生日の子たちが名前を呼ばれて前に出る。

「すいか組の、長男くん!」と呼ばれ
「はいっ!」と堂々と返事をしつつも、落ち着かないのか
ちょちょちょっとサザエさんのエンディングのような小走りで前に出る。

小さい子クラスから順にお誕生日さん達の紹介が行われた。

さくらんぼさんは先生にだっこされながら、
りんごさんになると「○○です!」と自己紹介し、
先生からのインタビューに答えた。

そしてすいかさんの長男は
「すいか組の長男です。6歳になりました。
 好きな食べ物はトマトで、好きな海の生き物はサメ、
 好きな遊びは氷鬼です。」とすべて自分で言った。

もうこの時点で、お母さん、ハンカチを濡らす。

すいかさんには得意技を披露するコーナーがある。

例えば、逆上がりや二重跳びなど、頑張ればできるけれど
ちょっとチャレンジングなことに挑戦するというコーナーである。

長男はフープ跳びを披露すると聞いていた。

フラフープを縄跳びのようにして飛ぶのだ。

うちにはフラフープはないので見たことなかったが
「へぇーできるんだー」くらいに思っていた。


たまたま前の週にイオンにいったとき
おもちゃコーナーにお試しできるフラフープがあったので
「やってみたら?」といったところ

見事に1回もできなかった。

「え?!そうなの?!じゃあちがうのに変えてもいいんじゃない?!」
と一人で焦ってしまったが

「いい、フープ跳びやる」という固い意志に
きゅんっ!!とときめいて口出ししないことにした。

会は順調に進み、いよいよ長男のフープ跳び。

またサザエさんのエンディング走りでちょちょちょっと飛び出し
おもむろに跳び始めた。

先生やお友達が「いーちっ!」と数えるが
ジャンプのタイミングが合わずにフープを跨ぐ感じに。

「にーぃっ!」もおっとっとっとなっていたが

「しーぃっ!」くらいから調子が出始めた。

その後はリズムよく、結局「じゅーさんっ!」まで跳んだ。

はじまる前は動画を撮って
お父さんやじいじ・ばあばにも見せたいなと思っていたが

約束通り、動画も写真も撮らず、固唾を飲んで見守った。

じっくり一瞬も見逃さずに
だんだんノッていく息子の表情を見ることができたので、
きっと写真・動画NGは息子の粋な計らいだったのだろう。

お誕生日さんはお昼ごはんのときに特別な紙を敷いて食べるらしく
お昼ごはんが終わってから迎えに来てということだったので

指定された時間どおりにお迎えにいった。

その後は下北沢に行き
日本に13人しかいないという茶師十段がつくるエスプーマ抹茶かき氷に並んだ。

「おわっ!おいしいっ!!この泡!最高っ!!」と
冷たすぎて白い息をはふはふさせながら

ぺろりと食べた。

ショッピングセンターでやって以来
すっかり親子ではまっているマリオカートを2回して

おうちに帰って将棋をした。

長男のリクエストはどれも『お誕生日じゃなくても叶えられるもの』だった。

私はついつい『お誕生日にしかできない特別』を探してしまうが

そんな長男の考え方はとても素敵だなと思った。

すでにお気づきだと思うが、私は息子ラブである。

だから、今回のフープ跳びのように、本人がみんなの前で失敗して
悲しい思いをしたら大変だ!と思うから

ついつい先回りして「他のにしたら?」と声を掛けてしまう。

でもそもそも失敗なんかないのだ。

がんばってトライすることに意味があるし
何より長男が自分から頑張ろうとしていることに対し私ができることは

全力で応援するのみ!と改めて思った。

すでにお誕生日会に見に来ないでといった長男。

この分だと「うぜぇ」と言われる日もそう遠くないのかもしれない。

今はまだお母さんのお隣争いをしてくれているが
(子ども3人に対し腕は2本なので、腕枕を巡ってけんかになるのだ)

きっと頼んでもひっついてくれなくなるのだろう。

「うぜぇ」は聞き捨てならないが、言い方はともかく
息子たちの自立に向けて心の準備をしておかなければならない。

そう思いながら、息子たちをぎゅーーーっと抱きしめて眠った。

長男、お誕生日おめでとう!
キミのこれからが、楽しいものでありますように!


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