①『夢破れて山河あり』
*これは僕と黒猫のポン助とのお休み前の''ゆる〜いおしゃべり物語''です*
窓の外には、小さな川の土手と、その向こうには山が広がってる。
僕が、この世界から消えてしまうまでの時間は、もうそんなに残ってないらしい。
後悔よりも先に、ホッとしてる自分。
頭の中が真っ白になって、宙に浮いてるようで。
とにかく、現実を少しでも感じたくて、窓辺へと。
夕暮れの、少し冷んやりする風に乗って『夢破れて山河あり』と、聞こえたようで。
ねぇ、🐈⬛ポン助ぇ〜、僕は、これからどう生きていけばいいのか、迷子になってしまったよ。
いつもと変わらないキミが傍にいてくれてる、この時間は、僕にとってのリアルだな。
キミのひと言は、あ、ひと鳴き、か、優しいね。
途方にくれてる僕を、今に戻してくれてるみたいで。
ありがとね。
『夢破れて山河あり』の夢の部分?って、ホントは''国''なんだけどね。ま、いいか。
そうそう、僕の夢、というか、空想というか、夢という名の妄想だな、聞いてくれる?
僕は大人になったら、サンルームのような小さな喫茶店の店主になって、そこで大好きな人と一緒に働いてる、そんなコトを想像してた。そこは、女の人が1人で居ても寛げるような場所で。
フレンチトーストとレモンティーが美味しいと評判のお店で。
その夢に近づきたくて、オヤツで作ったりしてたんだ。
けど、それも叶わないまま僕は、消えてしまうかもしれない。
あ、あれ?ポン助、寝てんの?
やれやれ、まいったなぁ〜、
なんかぁ〜、調子狂うわぁ〜。
ま、いいか。
今夜は、ここまで、だね。
またね、おやすみ。
ーつづくー
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