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気まま食レポ ver.1 カウンターのお寿司

人と言うのはね、身の丈に合ったごはんを食べるべきだと思うのですよ。
普段はね。
でもさ、身の丈に合わないごはんというのは、人が生きる糧になると思うのですよ。
つまりは、わたしが先日、身の丈に合わない北新地のお寿司に連れて行っていただいた結果おかしくなって口走った謎の食レポの全貌を、ここに書き記します。


食レポ内容が気まますぎるんで、お店からクレーム入ることを恐れてあえて店名は伏せるんですが、大阪・北新地某所。
隠れ家的スポットにひっそりたたずむお寿司屋さん。予約してもらったんでコース名とかわかんないですが、多分1コースしかなさそう。そのとっておきのコースをいただきました。

カウンターに通され、やっぱりお寿司といえばカウンターが醍醐味だよね!と知ったような口をききながら意気揚々と席に着く。あったかいおしぼりを受け取りほかほかして、飲み物を頼んで待つ。おいしいごはんの時は、ごはんの味を最大限に味わうべく極力お酒は飲まないのがポリシーです。いや弱いだけやねんけど。

そんなこんなしてるうちに、最初のお料理がやってきました。なすとあん肝のあんかけ小鉢。はー。美味しい。あん肝がしつこくなくて、ナスもとろとろじゃなくてちょっと食感のこってるからねっとりしたあん肝とまた合うの。そして多分ポイントは、あんの上からかかってる4種のきのこペースト。これがまた深みを出してて、かつ味のバランスを邪魔しない。さらに隠し味にわさび。甘いあんにわさびの爽やかな辛さが最高。

続いて、金目鯛のしゃぶしゃぶ。しゃぶしゃぶって言っても、おっきい一切れをお湯にくぐらせてから薄く切るスタイルだから、もうほぼレア。これをさ、かぶのおろしだれで食べるの。大根じゃないのがまたいいよね。主張が少ないから、淡白な味の金目鯛を殺さないのよ…さらに縁に添えられた柚子胡椒で味変すると美味の極み…。

3品目、もうハードルはあがりまくりのこの段階で出てきたブリのステーキ。こちらも期待をうらぎりません。またまたステーキとはいえほぼレアな、ぶあっついブリをサイコロサイズに切ってくれて、そこにほんのりわさびをきかせた大根おろしをどん!大根おろしだってただの大根おろしじゃ終わらせないぜという心意気を感じる。
ブリの甘くて良質な脂とぴりっときいた大根おろしのコラボレーション、美味しくないわけがなかろう。ぺろっといってまいました。

そしてお次は鰆。しっとり煮た鰆に、銀杏と白味噌のソース。もうね、わかりやすく言うのもおこがましいんだけどわかりやすく言うと、西京焼きの最上位互換。白身魚の焼いたのって、ぱさぱさしてて基本好きじゃなかったんだけど、そんな私の常識を覆してくれました…。



そしてこれで一品料理が終わり、お寿司ゾーンに入ります。
まずは、ウニといくらの小鉢ごはん!これは…これはやばい…魚卵好きにとっての正義が詰まっている。いくらってこんなに一粒一粒舌触りがわかるもの?口の中でひとつ、またひとつぷちぷちさせるたびに幸せが弾けるので、もう何粒のってたかとかわからんけどかなりの幸せを弾けさせた。さらには、わたしの知るところのいくらって基本的に塩味が全面に押し出されてた気がするんだが、これはいくら味です。それで言うと私はこのときはじめていくら味なるものを味わったのだ。聞くと、塩漬けじゃなく醤油漬けなのでしょっぱくならないそう。なるほどどおりで深みがある。(完全に後付け)そしてもちろんウニにも言及せねばなるまい。ウニってなんかもう、磯くささも取り柄みたいなとこあると思ってたんですよ。もうなに、甘さと濃厚さのかたまり?そこにほんのり磯の香り?え、なに?え、やば。やば。ボキャ貧にもなるわこんなん。や、もう、もはや何も言わん。食べ始めこそ、なんでこんなにちっちゃな小鉢なの…!と思ったが、食べ終わるころには納得。ああ、もっと食べたかった…というこの名残惜しさがさらに余韻を引き立てていて、インパクトだけを残して飽きさせない。恋愛と一緒ね…もっと一緒にいたかったな、くらいでばいばいしたほうが幸せな気持ちで終われるのです。あいみょんもそう歌ってたさ。



さて、魚卵パレードの幸せも覚めやらぬまま、お次はついに握りです。
ここまで詳細に書いておきながら、実は、はずかしながら、ここから先はもうお寿司に夢中で写真を撮ってないので順番違ってたりなんか抜けてると思う。だって握りは!!置かれた瞬間にたべたいじゃない!!!

握り1つ目。いかです。ねっとり甘いの…好き…ねっとりしてるくせに口の中に変な残り方しないの…引き際わかってる…偉い…。
2つ目。金目鯛です。そもそも鯛が好きやねん。金目鯛とかもうそれだけで美味しいのにもうそれだけで美味しいわ(語彙力
3つ目。トロ2種です。日本の鮪とアメリカの鮪の2種類なんだがね、日本の方が上品というか控えめというか。でも意外とわたしはアメリカのが好きでした。口に入れた瞬間もうマグロが踊り狂う感じ。いやもはやどっちも、わたしの貧相な食歴史からするともはやマグロのカテゴリに収まらないというか、え、マグロってこんな味?こんな脂のってんの?こんな甘いの?え、え?ってちょっとバグを起こしかけてくらいには凄まじい美味しさだった。
4つ目はのどぐろ。のどぐろってぶっちゃけさ、今まで食べてきたの、味ないなって思っててん。淡白なお味ですね〜とかそれっぽい感想でごまかしてきたけど、いやもう醤油の味に負けますやん、って思っててん。…違いました。なんでこんなに味あるんですか?てアホみたいな質問したら、昆布締めしてるからだって。なるほど…昆布が立役者でしたか…。ともかく、見直したぞのどぐろ。
5つ目。車海老です。そもそもね、無類のエビ好きなんですよ。サブウェイ行ったらアボカドシュリンプ、中華行ったらエビマヨとエビチリ両方頼むような女ですよ。車海老なんてな!美味しいに決まってるだろ!!さらにね、エビの粉末みたいなものがかかってるからね、もう200%エビ。エビの上をいくエビよ。魂を留めておくのが大変なくらいに幸せの極みでした。
6つ目ね、美味しかったんよ、めっちゃ美味しかったんやけど魚の名前忘れちゃった…あ、この見た目なのにしめさばじゃないんですねー!って言ったことしか覚えてないねん。ともかく、しめさばに似た見た目の光物のおいしいお寿司。(いいんかそれで)薄っい感想言うけどさ、いいお店のってさ、酢でしめてても主張が強すぎないのね。あ、もしかしてこれそうですか?くらいのお酢具合だから、魚の味とちゃんと共存できてて、とにもかくにも、美味いのです。
続いて、7つ目は穴子。甘辛くふわっふわに炊かれた穴子、なんていうか、わかりやすく美味しい。こんなに濃い味なのに、ガツンとくる感じでもなくあくまでやさしいのが、よい。好き。
8つ目で海老アゲイン。今度は普通のエビです。いや、普通のって言ってもなんとかエビって名前があったんだと思うけど、ごめんなさいそこちょっと忘れちゃいました。エビ好きだからめちゃ美味しかった。
9つ目はぶりです。ステーキでも食べたぶりですが、お寿司になるとまた雰囲気変わるね…ほどよい脂にほどよい歯応え、ぶりの醍醐味ここにあり、という感じ。(伝わるようで伝わらない
そしてついに来ました、ねぎとろです。お察しの通り、まあまあの品数の一品料理がきたあとのお寿司9貫食べてんですよ。板前さんが心配して、「量減らします?かんぴょう巻きとかにも変えれますけどどうします?」ってきいてくれたんだけど、あのすみません、まだ全然余裕なんで、なんなら盛り盛りにしてください。
というわけで、通常サイズのねぎとろいただきます。もうね、ここまで来て美味しくないわけないんだから美味しいって感想すら無粋なんだけどね、だけどね…美味しい…。海苔もなんか美味しいぞ、と思ったら、特別なお店にしか売ってくれない、有明海苔だったかな(うろ覚え)なんかすごくいい海苔だったみたいです。ほほう。
お寿司のフィナーレはプリンみたいな、あまあま玉子。ほっとするお味でたまご好きにはたまりません。これは一応お寿司カテゴリなのか?それともデザートなのか?といつも不思議に思う。けど、いつも、おいし〜と思ってるうちに忘れる疑問なのでもうなんでもいいです。
デザートは、梨のコンポート。ほんのり柚子の風味。コンポートだけどちゃんと食感のこってしゃきしゃき、甘すぎなくて締めにぴったりでした…。

北新地のお寿司なんて自分のお金で来る日はいつになるやらですが、なんかもう全てがおいしい。これをまた食べるために働くぞ!という心意気で、明日からも小銭を稼いでいこうと思うのです。
やっぱり美味しいものは、正義なのです。

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