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クリエイターに直接お金が入る仕組みについての考察【LLPとかNFTとか】

こんにちは、あおはるです。

冒頭から注釈で恐縮ですが、今日の記事は、最近勉強した内容をもとに書いているので、もし間違いがありましたら申し訳ありません。

表題の『クリエイターに直接お金が入る仕組み』
これは企業勤めの方よりはどちらかといえばフリーのクリエイターさん向けの話です。

前置き:現状のポイント

映画やゲームなど大規模な作品において、クリエイターの作った創作物は、基本的には『著作権の全部を譲渡する』といった趣旨の契約を結び、創作物の制作の対価をお支払いした上で版元の権利となります。

そうすると、関わったその作品がどんなに大ヒットしようとも、創作者に対して、基本的には追加で利が上乗せされることはありません。

こう書くと、すごく版元側が暴利を貪るようにも聞こえてしまうかもしれませんが、反面、ヒットしなかったからといって責任を追及されることもありません(赤字を負うのは版元側)。

では、例えば、noteやyoutubeでご自身で何か投稿して投げ銭や広告収入などを得るという仕組みはどうかというと、自身が収益の受け取り手となっている場合には、自身の創作に対して直接収益を得ることができます。

クリエイターにとっての実入りはこっちの方が良さそうですよね。

ですが、この仕組みでは、なかなか複数の人が集まって大きな作品を作ることが難しい。
なぜ難しいかというと、収益を分配する仕組みを作るのが大変なためです。

AさんとBさんとCさんと一緒に作った場合、創作物の権利は? 収益や費用に対する課税は? などなど考えることが盛りだくさんになります。

今回の考察は、「もう少し手軽に、もっとクリエイターさんに利が還元されるような仕組みができないだろうか?」というお話です。

LLPの事例

LLPというのは簡単に言うと組合です。

以下、経済産業省のHPより引用です。

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経済産業省は、創業を促し、企業同士のジョイント・ベンチャーや専門的な能力を持つ人材の共同事業を振興するために、民法組合の特例として、1,出資者全員の有限責任、2,内部自治の徹底、3,構成員課税の適用という特徴を併せ持つ有限責任事業組合(LLP)制度を2005年8月に創設しました。

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例えば、製作費が何億にもなるアニメでは制作委員会方式というのがありまして、アニメーション制作はXX会社、ゲーム化はYY会社、放映はZZ会社といった形で、それぞれが得意領域を担い、出資することで、権利や収益を分け合います。

ただ、ここに個人のクリエイターが出資者として参加するのって、法人を持っていないと難しいんです(※ゆえにフリーのクリエイターは会社を持っていたりするのですが)。

で、LLPという組合を作ると、これは法人も個人も有限責任(出資した範囲以上の責任は負わない)で参画でき、資額に寄らない分配ができ、法人ではないので出資者に所得税が課税されるという仕組みにできるというもの。

これなら法人をもっていない個人のフリーのクリエイターさんも参加しやすいんじゃないか、みたいな話です。

事例としては、uki Partners 有限責任事業組合さんがあります。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/keizaihousei/pdf/llpPamphlet.pdf

自分が作った作品が、ヒットしたらたくさん自分にも返ってくる、という形はクリエイターにとってもやりがいが出そうですよね。

NFTの活用

もう一つはNFTの活用。

NFTというのは、仮想通貨で有名になったブロックチェーンの技術で、簡単にいうと、デジタルコンテンツに鑑定書を付けますよーというもの。

これができると何が良いことかというと、土地や絵画と同じように、権利がはっきりするんです。

デジタルコンテンツってコピーが容易なのでネット上でいくらでも手に入ると思いますし、著作物を無断で使用してはいけないなどありつつも、保有するだけであれば誰でもできてしまうもの。

そこにNFTを組み合わせると、ネット上に山のように転がってるけど、このイラストとかこの動画は私が正統な権利者だからね、と主張できるようになります。

これを譲渡や売買もできるので、有名な事例では、Twitterのサービス初Tweetが3億円みたいな話があります。

で、本題のテーマに戻りますが、このNFTをデジタルコンテンツに組み合わせると、クリエイターに対して利を戻せるような仕組みが作れるんです。

例えば、1枚のイラストがあって、これとNFTを組み合わせます。

このイラストは人気があり、最初はAさんが500円で落札、次にBさんに1,000円で譲渡され、次にCさんに5,000円で譲渡され、と絵画のように転々と売買されていったとします。

この時に取引においてN%を製作者に渡す、という構造にしておくと、取引の度に取引額のN%が製作者に還元されるといったことができるようになります。

取引以外にも、例えば素材として使用する際に、ユーザは管理元にサブスクリプションで月額支払いをして、管理元は製作者に利用数に応じてn円を還元するみたいな仕組みとか。

イメージとしては、カラオケの印税みたいなことができそうかなと。

新しい取り組みは面白い

権利関係とかって文化的な背景もあるので、今回の話は考察段階であり、すぐに何かが変わるようなことではないのですが、技術の進歩とか、国の施策とか新しい取り組みを知ると、更なる新しいアイデアも生まれてきます。

クラウドファンディングなんかも、最初は「よくわからない」から始まり、いまでは資金集めの手段として定着してきています。

技術って単体だと難しいものなのですが、どう使うかという発想が組み合わさると急速的に広がっていくもの。

ここから先数年の間でも、5GとかIoTとか、日常でもっと実感していくものになっていくと思いますので、いや~楽しい時代に生まれたな、なんて思う今日この頃なのであります。


ではでは、皆様。
引き続き良い連休をお過ごしください。

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