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読書録「お金は銀行に預けるな」

「金融リテラシーの基本と実践」というサブタイトル。経済評論家・勝間和代氏が資産運用の必要性を語り、実践を促す内容だ。今までのように労働に頼って得る収入だけではなく、金融について学び、リスクとリターンをうまくコントロールしながら収入を得る資産運用の重要性を説く。そうすることによってワークライフバランスをもっと上手に整え、経済的にも精神的にも豊かな生活を手に入れていけるという。金融のしくみについて丁寧に説明しているが、難解ではなく、ざっくりと全体をイメージできる。新書なのでハードルも低く、持ち歩いて読むのに便利。

「お金は銀行に預けるな」勝間和代 光文社新書(2007.11.20)

印象に残ったのは「タダ飯なんてものはない」という格言。つまり、無料で得られるものはないってことだ。何かを得たら何かを支払わなくてはならない。無料だと思っているモノには裏がある。それをしっかり把握しておかないと損をする。

債券や株式に詳しくない人のために、プロが良さそうな銘柄を選んでパッケージにした投資信託がある。プロに仕事をお願いしているのだから、ハイリターンが期待できる。そのかわり手数料が高くてもしかたない。
逆に、インデックスファンドという、専門家を置かずに、日経平均などのデータの数字によって投資先を決めるものは手数料が安い。そのかわりリターンが小さくなる可能性が高い。

初心者は、手数料がかからないノーロード、そしてリスクもリターンも小さい商品からはじめるのがおすすめらしい。

①TOPIXまたは日経平均など、日本株式のインデックス・ファンド
②日本債券へのインデックス・ファンド
③海外株式へのインデックス・ファンド
④海外債券へのインデックス・ファンド

この4つに分散投資で積み立てをすることからはじめて、金融に興味を持ち、少しずつ学びながら、色々な金融商品に広げていくといい。

学ぶには日本証券業協会のサイトもおすすめとのこと。

世界中のすべての国々では、多くの人がよりよい生活を送るため、あるいはより安定した社会を作るため、毎日、勤勉に働いています。そして、その活動を支えるためには、誰かがリスクを取って資金的なサポート(=金融)をしなければなりません。
そしてそのリスクを取ったことの見返りは、株・債券・投資信託などを通じ、その価値が上がることによってリターンとして必ず報われるようにできているのです。
つまり、資金的なサポートを行う人がいて、初めて、私たちの社会は安定した発展が望めるのです。
さらに、私たち一人一人が、どういった会社に、あるいはどういった国に金融を行うかを決めていくことで、社会自体を変えていくことさえできる可能性を持ったものが、資本主義社会における金融の役割なのです。

本文より

熱い想いを抱いて著されたのだなあと、気持ちが伝わった。

知人に大変勧められたので読んでみた。
投資の是非はともかく、なるほど…と思った。

先週、叔父が亡くなったので急遽帰省した。
式の日は小春日和だった。
飛行機の中でこの本を読んでいるのが、なんだか不思議な気がした。
なんで私は今こんなところにいるのだろう。
上空から見る夜景が美しかった。

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