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読書録「これで死ぬ」

「アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集」というサブタイトル。著者は山岳ライター。「絶対に死にたくない。大切な人を危険な目に遭わせたくない。本書はそんな人に役に立つ、アウトドアでの安全を学ぶための危険の事例集です。」と本のそでに書いてあった。タイトルが強烈なので目に留まった。

「これで死ぬ」羽根田治 山と渓谷社(2023.8.5)

自然が好き…だけど本格的アウトドアはしたことがない。山登りも気軽に行ける低山のみ。川も海も決められたエリアでちゃぷちゃぷ楽しむ程度だったので、危険について学んだことはない。しかしこの本を読んで「ひえ~自然ってこわいんだなあ。甘く見ちゃいけない!」と思いを新たにした。楽しいレジャーで死なないために、実際に起きた事例をふまえ、最低限気をつけるポイントが分かりやすく書いてある。知っておいた方がいい安全知識や対処法なども役に立ちそう。
毒のある魚や毒草、毒キノコとか、「裏山の山菜と釣った魚いっぱいあるからあげるよ~」と知人からもらったら、喜んで食べてしまいそうなので気をつけようと思った。
印象的だったのは「ダツに刺されて死ぬ」。夜間の海でライトに突進してきて、くちばしが体に刺さる死傷事故が起こる…こ、こんな生き物が海にいるのか…こわいぞ。
さらに詳しく知りたい人のために、オススメの本も巻末に掲載。

本文より

自然は、美しく雄大である反面、いたるところにさまざまな危険が潜んでいます。それを認識せず、不用意に自然の中に入り込んでいくと、予期していなかった危機的状況に陥ってしまいます。

毎年、多くの人が海や山で命を落としています。その中には、「なんでこんなことで…」というような事故も少なくありません。

ごくごく基本的なことをわかりやすく述べているのは、アウトドア初心者はもちろん、「キャンプや海水浴には年に数回しか行かないよ」といった人たちにこそ読んでいただきたいからです。

自分の身はもちろん、家族や友人、恋人など大切な人の命を守るために、本書を参考にしていただければ幸いです。

山と渓谷社の本はマニアックすぎて近寄りがたいイメージだけど、これはタイトルも表紙もパッと目を引く。多くの人に読んでもらって、知識がないために起こる悲しい事故がなくなるように、という著者と出版社の願いが感じられる。

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