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君との方程式♯3 最終回

正直、感情を抑えるのは大変だった
好きな娘がこんなに近くに居るのに
思春期の多感な時期に
こんな近距離で好きな娘と
接する事が出来ているのに
お預け状態だ
拷問だった
夏は薄着になり
露出する肌
さりげなく触れる腕
高鳴る心臓
俺の妄想だけは暴走して行った
何回、妄想の菊咲と天国へ行ったか
でも、一生懸命な菊咲の姿を見ていると
この気持ちを今伝えてしまったら
菊咲は勉強に集中出来なくなってしまうかも知れないと
俺はこの感情を必死で抑えた
秋が来て

俺は先に選考で合格が決まっていたので
余裕だった
受験は無事終わり
菊咲から合格の連絡を受けた
あんなに必死で頑張ってたんだから、
当然の結果だ
合格のお祝いをしたくて待ち合わせをした
「おめでとう菊咲」
「ありがとう、本当にありがとう」
「雁宮君のおかげだよ!!」
大袈裟に見えるほど、大喜びしている菊咲を見れて、俺も嬉しい
さて
やっと、、、やっと伝えられる
「菊咲、話がある」
菊咲はキョトンとした顔で俺を見上げた
「菊咲の事が好きだ、付き合って欲しい」
真っ直ぐに目を見て
静かにゆっくり、丁寧に
菊咲に伝えた
届いてくれ俺の想い

菊咲は、大きな口を開けて
動きを停止させた後
あの有名な絵画のように
両頬を手で挟んで
「えーーーーーーーー!?」
「え?私?え?え?」
辺りをキョロキョロ見渡して
パニック状態だった
顔は真っ赤だ
全然、そんな対象でさえ無かったんだろうな
全くもって、これっぽっちも予想してなかったのかよ?(笑笑)
俺のこの半年間に渡る葛藤の日々を
どう伝えたら理解してもらえるだろうか
どんだけ俺の頭の中を菊咲が占めていたのか
言葉では、伝わらないだろうな
驚き、うろたえる姿さえ、愛おしいと思ってしまう自分がいた
菊咲の頭にポンと手を置いた
「まあ、いいや」
「これから、菊咲麻美を学ばせてもらう」
「菊咲にも俺を学んでもらう」

「まずは、お祝いだ、飯食いに行こう」
そう言って、触れたいと思っていた菊咲の手を握って
蕾がつき始めた長い桜並木の路を歩き出した

たくさん、たくさん
菊咲を知って行きたい
これから始まる新しい日々に
ワクワクしていた

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