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#18.ソーシャルビジネス×少数民族バルーチ人女性の手仕事×WSD


(1)普段おこなっている活動は?

「Janeen Doch(ジャネンドーチ)」という会社をつくり、イラン南東部に住む少数民族バルーチ人の民族衣装をアップサイクルした商品づくりをしています。起業したばかりで知名度も全くないため、まずは自身の活動を多くの方に知っていただく機会として受講中にクラウドファンディングに挑戦しました。 現在は新商品開発をしながら、どのように事業を展開していくか、どのような形で社会的インパクトを出せる事業にしていくか模索中です。

(2)WSD受講のきっかけは?

これまでも人脈づくりや新たな知識の習得のために学んできましたが、その都度、異なるバックグラウンドを持つ方々と学び合うことが刺激になり、より広い視点で多角的に考えることに繋がり、次の一歩を踏み出す機会になりました。 将来的には海外の現地に行き、多様な価値観を持ったコミュニティが多数存在する「多価値」の中で活動していくことになるため、自身の知識のブラッシュアップと活動の幅を広げていくためのスキルを身につけたいと考えていたところ、Facebookの広告でWSDの存在を知りました。すぐにHPで情報収集し、説明会に参加したところ、「面白そう、勉強してみたい」と受講を決めました。

(3)オレンジコースとブルーコース、選んだのはどっち?

関東の端の方に住んでいますが、都内に通えない距離ではないため、オレンジコースにするかブルーコースにするか迷いました。しかし、せっかくの機会なので全国の方と繋がりたい、オンラインでワークショップは本当にできるのかなど、オンラインの可能性も体験してみたいと思い、ブルーコースを選びました。講師のひとりが話されていた「オンラインはどこでもドア」という言葉はまさにその通りでした。オンラインは時間と空間があまり関係なく一同に集えるため、国内でも海外でもどちらでも通用する学びのツールになります。日本にいながらも行ったことのない地域は多いですが、ブルーコースで出会ったメンバーからその土地のことを聞いて興味が湧き、いつかリアルで会いたい、会いに行くと言える、そんな距離感に近づけたのも、ブルーコースならではの出会いかなと思います。

とはいっても、休憩時間や帰り際に立ち話をする雑談の時間がないため、少し寂しさを感じたことも。ですが、授業後に毎回ではありませんが、任意参加の「雑談タイム」という時間を30分事務局の方が設けてくださり、その間に授業で感じたことやレポートの進捗状況など何でも気軽に話せる場があったことが授業後の楽しみでもありました。また、Facebookのグループも授業が始まってすぐに立ち上がったため、自主的な交流会やグループで企画したワークショップのプロセスの共有など、授業以外でもコミュニケーションをとれる機会があったため、地理的な距離は遠くても心理的な距離は近かったと感じています。                                                                              

(4)WSD受講で最も印象に残っていることは?

グループでワークショップの企画、実践、振り返りの流れを2回繰り返して、学びを深めたことです。事務局からの依頼と開催条件が提示され、それに基づきワークショップの経験値やキャリアも異なるメンバーと一緒にワークショップを企画していくのですが、振り返ると2回繰り返すことに意味があったのだなと思います。とくに2回目のグループでは、みな1回目での経験値があり、メンバー間の共通言語が増えている一方で、メンバー全員が同じものを見ているようで見えている視点や気づく点も異なるため、合意形成により時間がかかったように感じています。
「ワークショップデザイナーは型なしでも駄目だけれど、型通りでも駄目」ということを体感しながら、学ぶことの奥深さも経験できました。

(5)現在の活動に活かしているWSDでの学びは?

現在は、新商品開発のためのアイデア出しやリサーチをしながら、自身の活動を多くの方に知っていただくための営業活動をしています。そのため、ワークショップを自ら企画する機会はまだないのですが、立ち上げたばかりの事業を知っていただくために、どのように伝えていくと興味を持っていただけるか、話を聞いていただけるかを考えていますが、その際にはWSDで学んだプログラムデザインやその場のフィット感を大事にしています。 さらに、佐伯先生が話されていたプロが身につけるのは「知っている力」ではなくて「感じとる力」。WSDでの授業全体を通して、ワークショップデザイナーは気づき、見落としていることを見落とさない、気配り、いろんな人がいろんな思いを持っていることをキャッチできる能力が高いと感じました。WSDでの学びは、ワークショップの現場で使える一つのツールとして活かすことができるだけでなく、ビジネスの現場においても視点を変えた考え方や問いづくりのポイントなどを意識するきっかけになることも多くありました。

(6)WSD受講を迷っている人へのメッセージを!

授業やレポート提出などやるべきことが多く、大変な3か月間ですが、そこで出会った年齢もキャリアも異なる多様性のあるメンバーと切磋琢磨しながら、お互いに刺激を受け合い過ごすことのできる貴重な時間。毎回の授業もメンバーも二度と再現できない一期一会です。非日常の空間でワクワクを感じながら深い学びを体験できる場にぜひ足を踏み入れてみてください。

授業内での成果物の1つ
レポートを受講生同士で共有し、その中で出てきたキーワードをワードクラウドでまとめたもの

(7)これからの展望は?

将来、商品開発を行うために現地の人と一緒にワークショップを開催したいと考えています。マーケットは世界を見ているため、文化や考え方が異なる多様な方々にどうしたらアプローチできるのか、従来のマーケティングスキームを超えて、新しい価値を提供するにはどのようなステップを踏んでいけばよいかなど悩みは尽きません。私自身がファシリテーターであり、リサーチャー、アナリスト、プランナーなど様々な職種を背負いながら場をつくっていくことになるため、新しい価値創造を促していくワークを企画したり、創造性のある商品アイデアが出てくるテーマ設定をするなど、その場に集まった人たちの気持ちを大事にした場づくりをしていきたいと思います。 ひとりではできなかったことがチームだからこそ実現できたり、他者との関わりの中から新たな発見や洞察に繋がる価値を見出したりなど、自分と違う人に出会い、人との繋がりがきっかけとなり、自分の可能性が広がった気がします。これまで出会った人々、これから出会う人々の暮らしに意義のある影響を与えたい、それぞれがいる場所を、より良い場所にするために人々を促し、社会に貢献できる活動をしていきたいという価値観を実現するために、一歩一歩着実に、目の前のことに真摯に取り組んでいこうと思います!

WSDの学びのキーワードのひとつに「越境」がありますが、鈴木さんは国境だけでなく、まさにいろいろなものを越えていかれるのだなあ!と思いました。ソーシャルビジネスを立ち上げたばかりだそうですが、WSDの学びを活かしながら、自身の可能性をさらに広げていく姿がまぶしいです。これからのご活躍を応援しています。ありがとうございました!

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