対岸の川岸から放たれる音
本日は「開運館 エチカ池袋」にて鑑定してきた青鳥(あおどり)なのです。
今日は朝からしとしと降っていたので、池袋の人たちも皆さん傘をお持ちなのです。
気温も低いので、ジャケット、コートの着用も多いのです。
そんな本日、なのですが。
青鳥の生息地域には、大きな川があるのです。何度も登場している、土手のある川なのです。
お休みの日に、その土手をふよふよ歩いていたのです。
いいお天気ダナー、なんて思いつつ。
秋の虫が鳴いているのです。
川岸のすすきは、細長い穂を伸ばしているものの、まだ開いてはいないのです。
まだまだ秋なんだなあ。なのです。
そんな東京の辺境の秋を堪能していながらいい風に吹かれて歩くのです。
聞こえるのです。
音が。
虫の鳴き声じゃない。
車の走る音じゃない。
自転車が脇を通りすぎて行ったけれども、それじゃない。
微かな音は、少しずつ大きくなるのです。
鞄の中のケータイが鳴っている? と思い確認しても、違う。
けれども、音は大きくはっきりとしてくるのです。
奏でる音、なのです。
青鳥の歩く方向にその音源があるのか、明瞭になっていくのです。が、進行方向にそんな存在はない。のに、音がはっきりしてくる。
管楽器の音なのです。
トランペットの伸びる高音はなく、サックスのつんざくようなおしゃべりさはなく、しっとりとした真面目な音なのです。
トロンボーンかなー、なのです。
一節の音階を何度も繰り返しているのです。生真面目な音にそのソルフェージュは似合うのです。
丁寧に、指運を確認し、ピッチを崩さない。
そういった意思を感じる音の作り方だったのです。
なので、面白味はどこにもないのです。
ただ、奏者の勉強の音が対岸から響いてくるのです。
そちらを見ると、うすぼんやりと赤いパンツ姿の人がこちらに向かって微動だにせずいるのが確認できたのです。
その人のいる場所を通り過ぎると、音が小さく、聞き取れなくなっていくのです。
青鳥が通りすぎても、その人はまだ続けていたのかは不明です。
けれども、努力する姿はカッコいい、そう思ったのです。
自分のために上達する、力をつける、そんな姿勢にハッとさせられた青鳥なのです。
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