地平線にオレンジの丸い月

暑いな、と思いつつ花粉の飛散している外をふよふよしていた青鳥(あおどり)なのです。
この季節、外にはあまり出たくなないけれども、用事があれこれあったりするとそうもいっていられないのです。

そんなこんなで所用を済ませて、大きな川の土手を歩いたのです。
辺りはすっかり暗くなって、おうちやマンションにたくさんの明かりが灯っているのです。
川の向こうにあるそれらの夜の景色を堪能していると、そのすぐ上に大きなまんまるい存在があったのです。
低い空に、オレンジ色の丸い月があったのです。

高層マンションの背景にその月はなんだか絵になるのです。
それを見ながら土手をふよふよ再開するのです。
川面に高層マンションの明かりが映り込むのです。
同時に、オレンジの月の光も、なのです。
彼方から此方へオレンジの帯が伸びているのです。

マンションは歩くほどに後ろになるのです。
オレンジ月は、ついてくるのです。
一人で土手を歩いているのに、なんだかご一緒している気分なのです。

途中で土手を降りたので、川面に反射するオレンジの帯は見られなくなってしまったのです。
それでも空にあるお月さまは見えていたので、まんまるオレンジお月さまとお散歩した気分になった青鳥なのです。

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