夏じゃない音

今日はお天気が良くて、空の高さに気がついた青鳥(あおどり)なのです。
このところお天気がはっきりしなかったから、青い空が眩しいのです。

雲の形状も、秋模様になってきたなあ、なのです。
うろこ雲、なんかが見えるのです。
ちょっと前までは入道雲がでばっていたのですが、そこまでのパワーはもうないようなのです。
瞬間、暑くなったとしても、もう真夏の力はきっとないのです。

そして、気がつくのです。
買い物に行く途中の雑木林がとても静かなこと。
蝉さんの声がないのです。
窓も閉じられているのか、夏に良く聞こえていた家庭の音も、ないのです。

とある民家の軒先に、ガラスの風鈴がひとつ下がっていたのです。
風に吹かれてざらりとした切り口を、ガラスの棒が行ったり来たり、なのです。
涼やかだけれども、引っ掛かる高めの小さな音が、少しだけ耳に残るのです。

古い室外機の唸る音も聞こえないのです。
頭に残って不快だった、通りすがりのあのお家の煩さ。
今は、無音なのです。

いくつかの音は止み、微かに継続はしているものの、これからは秋がくるのです。
服の面積も増えて、どんどん増えていく秋の音をきちんとキャッチしたいな、なんて思っている青鳥なのです。

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