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grow

目にかかる前髪の隙間で光った
あの蔦の葉がやけに誇らし気に見えたんだ
 
少しの悩み事だってないんだろう 
自由にあちらこちらに伸びて
 
きっといつか きっといつか 
思いながらも
重い根を張って止まった 
立ち止まった 
あぁ 君たちと大差ないんだな僕は
この手もこの脚もずっと自由に動くのに 
日の当たる場所までは 
まだ行けない 
まだ行けないや 
 
あんなに大事に育ててた植木
気がついたときにはもう枯れてしまってた
水をやりすぎた 
大事にしすぎたらしい
 
「誰か助けて」と そう見えてたけど
 
きっと僕だ それは僕だ 
この根をどこまでも伸ばせたならと
願った きっといつか 
辿り着くことを夢見てたから
 
きっといつか きっといつか 
思いながらも
重い根を張って止まった 
立ち止まったまま 君たちと大差ないんだな
でも この手もこの脚もずっと自由に動かせる
生きていく場所くらい選べるよ 
選んでいくんだよ
 
「恐れ」はいつまでも僕をここに根付かせたままだ
「大丈夫」歩き出せ 君が教えてくれた
この手はこの脚はきっと どこまでも届くはずだから
日の当たる場所へ 
共に行こう 共に行こう
 
切り過ぎた前髪も様になったころに
あの蔦の葉がやけに愛おしく見えた

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