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虚勢をはる生き方

虚勢を張って強がらないと生きていけないんだよ、そう言った。
ああ、そういえば私もそうだったかもしれない。今よりも少し前。

今だからそれを聞いて、そんなに頑張らなくてもいいんだよと言いたくなるけれど、でもそれもまた間違いだなんて思わなかった。
そんな生き方があってもいい。

そうでなければ生きていけない時期は誰にでもある。

私もまたそうだった。
強がって生きていた。
そうしなければ飲み込まれそうだった。
負けてそのまま立ち上がれないそんな気がした。

あなたもまたそうなのかもしれない。

ある程度時が進み、虚勢を張れなくなった。
そう、虚勢を張るにも強がるのにもエネルギーがいる。かなりのエネルギーが必要で、それを賄えなくなったのだろう。

そして自分を誤魔化すというやり方にシフトしてきたのだと思う。意図的にではなく、おそらく自然に。
この自分を誤魔化すは決してネガティブな意味合いではない。持てるエネルギーを上手に使いながら、自分を誤魔化す。それは目の前のしんどさを上手く受け流せるように。或いは受け止めてそれに緩やかに対応出来るように。

虚勢を張るほどの強がるほどの威力はなくても、上手く力を分散させてそれに対応出来るよう、自分を誤魔化す、誤魔化された自分はゆっくりとそれに着手する。心まで変えながら。

そんな感じだろうか?

誰しもがこの複雑な世の中で、人間関係の中で、時には強がらなければならない時もあるだろう。ハッタリをかましながらその時々を乗り越える時があるだろう。虚勢を張りながら、泣きながら、日々を生きてる、そんな日もあるだろう。

そんな生き方があってもいい。
そんな人がいてもいい。
あなたがそれでもいい。
そんな日があってもいい。

ただそんなあなたをもしも見た時、あちこちに傷を作りながら、虚勢を張って生きながら、平気そうな顔をして笑って、だけども人の見ていない所で、泣いていたのなら、きっと私の胸は苦しい。そしてあなたを大切に思う人の胸もまた苦しいと思う。

でも、私はきっと止めない。その生き方を。そうでなければ生きていけないのだと言うのなら、思うのなら、あなたの生き方としてきっとそれが正解なのだと思うから。

生き方などなんの正解もないのだから。
それぞれでいいのだから。
私もまた決して正しくは無い生き方をしてきた。
おそらく今もそうだ。
でもこんなふうにしか生きてこられなかった。 これからときっとそうだ。

自分にしか決めることの出来ない生き方。自分にしか選べない選択肢の中で、それぞれが日々を生きている。楽しいことばかりではないこの世界を。

傷だらけならばそれもまたステキな姿だよと私は思う。人知れず泣いていても、美しいと私は思う。一生懸命生きているのだから。

さぁだから胸を張って、虚勢を張って、精一杯に強がって生きていこう。私もまた誤魔化しながら精一杯に生きてゆく。

今日という日を。
あなたの今日という日が素晴らしいものである事を願って。そして1日の戦いのあと、全ての重荷をおろして、また次の戦いまでの僅かな時間、せめてその時間、自分らしくいられるように。願わくは、そこに心許せる誰かが、隣にいますように。

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