虹がみえるよ
子どもが私に教えてくれた。
「ママ!みてて!虹みせてあげる!」
大きめの石をチャポンと川へ投げる息子。
一回目、私は何が起きているのかわからなかった。
二回目、まだわからない。
私のために、何度も何度も大きな石を投げてくれた。
「あっ!!」
数回目でやっと私にも見えた。
水しぶきと共にほんの一瞬だけ浮かぶ、
まばたきしてては見逃してしまう、
息子がつくってくれた虹。
私は言葉が出なかった。
色んな感情が押し寄せた。
そっかぁ。
ごめんね。
ごめんね。。
と心の中で呟いた。
いつもいつも、
子どもたちは私に教えようとしてくれていた。
「ママ!これ見て!」
「ママ!これなに⁉︎」
「ママ!!早く来て!」
その度に私は、
正直、うんざりしていた…。
子どもたちのママ、ママ攻撃に…。
子どもがいると、あれが出来ない。
子どもといると、すぐに中断される。
子どもがいるから…。
「もう!ママって言わないで!!」
何度、ひどい言の刃を、子どもに投げつけただろうか…。
『息子が虹を見せてくれた』
その時、やっとやっと、気がついた。
いつもいつも、子どもたちは、
私を"ここ"に連れ戻そうとしてくれていた。
過去と未来に行ったりきたり
わけもわからない忙しさの中を
私は一人、走り回っていた。
幻想の世界を…。
子どもたちは、
何度も何度も、
私を呼んでいた。
「そっちじゃないよ。こっちだよ!」って。
子どもの目に留まるもの、
子どもの触れているもの、
子どものきこえる音、
子どもに導かれるまま
ここ
に行けば
たくさん、たくさんの
言葉にできない
素晴らしく、美しく、儚く、尊く、
あたたかく、やさしく、ここちいい、
全部が混ざったところへ行ける。
必死に本読んで、
必死に色々試して、
必死に何か動かそうとして、
そんな大変なことしなくても
子どもたちは
いつでも
私を
"ここ"
に連れてきてくれる。
love.love.love.
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