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「隣人が気持ち悪い」第2話 小説


次の日の夜九時過ぎにロフトに上がって布団に入った直後、隣人が大声で「ひゃははー」と叫んできた。その後も何かを叫び続けたがよく分からなかった。ゴルフボールより少し大き目くらいの何か丸いものをロフトの私側の床に落とす、「ガタン、ゴロゴロゴロ」という大きな音が響き渡った。
『あ、これわざとだ』二回ほど聞こえた後にまた叫び声が聞こえてきた。
「ひゃははー!」「やったー」
我慢して、静かにしていると今後は
「どこで寝ているんだ!」と次第に不機嫌になってきている。そして、何かをひたすら叫んでいた。こちらが無音で静かにしていると、
「ふざけるな!」と怒鳴るように叫び始めた。数十分置きぐらいに同じように怒鳴っている。
その後、ドアがバタンと締まる音が響いて外に行ったのかと思うと数十分くらいで帰ってきた。時間は二三時三八分過ぎ。スーパーは締まっているし、コンビニは往復だけでそのくらいの時間は優に超えるはずだが。帰ってきたと思ったらロフトに上がってきて、何か喋りながら笑っている。それも叫びながら。無論、ほかに誰かが居たり、電話しているような感じではない。そして、0時が過ぎたころ静かになった。

その間、私は不眠症の薬が全く効かず、緊張と不安による動悸がして、ストレスが腹痛を起こしていた。

次の日私は、ひたすらネット検索していた「騒音 隣人」で調べていると妙な言葉が検索ワードに出てきた。「室内ストーカー 騒音 隣人」と。そして更に調べると、「室間添髄症」というワードが出てきた。近年のコロナ過による在宅ワークなどで家にいる時間が増えた中、アパートに住む他の女性たちも同じように隣人の騒音に悩まされていることが分かり、そのような事例が増加傾向にある中で隣人による室内ストーカーに気味悪さを抱く多くの女性たちの悩みがそこには書かれていた。
「ベランダに出て洗濯物を干している時に必ず隣人がベランダに出てきて、その隣人は普段はベランダに出てる様子はない。」
「トイレに行くと同時にトイレに入ってきて気持ち悪い。必ず同じタイミングで入ってくる。」
「まるで私の後を付けてくるかのように、キッチンへ行くとついてきて、部屋に戻ると同じタイミングで部屋に戻ってくる。」など、私がお風呂に入るときも同じタイミングで来ていて気味悪く入れなくなった。しかも、どの人も最初は勘違いだと思った。相談しても信じてもらえない。など、一緒だ。悪質な嫌がらせのような行為がまさか他にも、しかも大勢いたなんて。隣人は、室内ストーカー、つまり室間添髄症だ。

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