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料紙をじーっと見ている人

古書で見かけると買っている雑誌シリーズがある。
もう廃刊しているのだけれど「日本の美術」シリーズ。探していると結構昔のも売っていたりして面白い。

今読んでいるのは料紙の装飾特集。よく綺麗な和歌ぎれとか、絵巻とか経巻なんかの紙が装飾されているのをみるけれど、その装飾ばっかりじーっと研究しまくっている人々の文章が掲載されている。

例えば、源氏物語絵巻の詞書のところの箔やうっすら描かれている彩色などなある部分について。ここの模様の「胡蝶」と「巴(模様)」と「丸」と「海松(模様)」があるから、それらを合わせて「「みるてふことも得ず」だ」とか。(推理もの・・・)と思うような説などが説明してある。箔ばっかりじーっとみていて大変なことになっているな。と素人は読んでいて思う。そして、ぜひ作った古人に「で、答えは?」と答え合わせを聞いてみたいなと思う。

昔のものや化石なんかでも思うのだけれど、研究でいろいろな事がわかったというけれど、答え合わせは実際のものや実際の人々とする事ができない。恐竜なんかもぜひ本当の姿を見てみたいものだと思うし、今回の記事なんかも、未来にいる私たちはこんな事を考えたけれど、実際はどうだったの?と聞いてみたい。

料紙装飾の一部写真が掲載されていて、この「見るてふ」部分の写真はカラーで載っている。けれど小さいので、手元にある日本の絵巻で「源氏物語絵巻」をみてみる。「みのり」の部分(だったのださっきのところ)は確かに大きくはっきりと絵柄が描き込まれていて特徴的かも知れないなと思う。何か意味があると考えるのは頷けるものがある。言葉がついているかどうかは別として、ちゃんとその場面に似つかわしい、あっている模様が描き込まれているのは当然なのだろう。

この前に読んでいた住居特集の号の竪穴式住居の話も面白かったし(丸い敷地の竪穴ばっかりあるところでも一つ角があるものがあったりするらしい。多分近所であの角張った家と言われたり目印になっていたりしたかもと思う)、見かけると買ってしまうのだけれど、また床が本に寝食され具合が進んでしまい、現在非常に邪魔なので、あまり探さないようにしなくてはならない。

先ほど、別の部屋にこっそり何冊かの本を運んでそっと置いてきた。バレませんように。

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