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泡日記 1月のどこかで

にこがふいっと柵を超えて届かない次元に行ってしまったのと、自分が誕生日を迎えたのはどこか似ているような気がする。焚いたお香の煙の流れた先をぼんやり眺めていて、普段は見えない空気の流れが視覚的に現れ、目に見えないという事の意味を探ろうとしてやめた。

誕生日だからという訳では無いのだが、二週間ほどポストを開けなかったので覗いてみた。玄関を出入りする度に目に留めていたが開ける気がしなかったのだ。夫も子供も郵便物の確認は私がすると思いこんで普段はやらない。思った通り、中は不動産やデリバリーなどのチラシの山であった。ほとんどが郵便ではない。一体何人の人が家の前に来て投げ入れたのかとぎょっとする。
そのがさがさの中に、私宛の葉書と手紙が入っていた。KさんとUさんからである。たまたま今日だったのもあって読む前からもう嬉しい。

誕生日は公にしていないのでただの偶然なのだが、そこは勝手な解釈でプレゼントをもらったような気分になる。
年末からXもぱったり更新しなくなり、文フリに出なかったり、noteでにこのことを書いたりしたものだから、読んだ方の中には心配してくださった方もいたと思う。
ただどうしても書かずにはおれなかった。このお二人が実際記事を目にしたかは分からないが、KさんもUさんもそのことに言及することなくご自分の近況と、その中にある柔らかな光りの話を書いて教えてくれたのだった。私はそれを優しさと思わずにはいられない。

Uさんの手紙にはご自身でデザインされたカレンダーが入っていた。1月は生れ月でもあるから特別だったが、同じ数字が並んだ中に、にこを想う日も刻まれた事はこれからも深い意味を持つと思う。
Kさんが昔撮ったというモノクロの写真と、Uさんのカレンダーをキッチンの白い壁に貼った。毎朝、起き抜けの白い気持ちの時に目にする場所。人は思われることでも励まされる。ありがとうございます。

早く帰って来てくれた夫がお惣菜を沢山買ってきてくれたので、夕飯は何もしないでありがたく座っているだけ。
子供は夫に言われてコソコソ寝室で手紙を書いたようだ。らしいと思ったのは、慌てたのか「大好き」という字を「大女子」と書き、自信がなくなってぐちゃぐちゃっと消してある。その横にひらながで「だいすきだよ。」と書いてあった。
そういうところがママも大好き。

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